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シャルンホルスト級


 基準排水量31,800t、28cm三連装砲×9門、15cm連装砲×12門、10.5cm連装高角砲×14門、37mm連装機銃×16門、20mm機銃×10門、魚雷発射管×6門
 出力160,000hp、速力31.5ノット
 ヴェルサイユ条約破棄直後の1935年1月から建造開始。当初は前級(ドイッチュラント級)の四番艦、五番艦として建造される予定だった。
 仏海軍のダンケルク級に対抗して計画された。計画当初は19,000tだったが、手を加えていくうちに26,000tとなり、最終的に32,000tとなった。勿論英独海軍協定で承認された値を悠々と上回っている。
 ポケット戦艦と同じ28cm3連装砲だが、船体大きくなったため、前部に2基、後部に1基を配して火力の向上が図られた。また、口径自体も54.5口径と、新型に変更された。
 実現はしなかったが、主砲を次級(ビスマルク級)と同じ38cm連装砲に換装する計画もあった。
 装甲を犠牲にし、機関もディーゼルからタービンに変更され出力が3倍近く増え、最大速度は32ノットとなった。ただ、度々タービントラブルを起こしており、必ずしも完璧な艦とは言えなかった。
 竣工当時は前級(ドイッチュラント級)に習った垂直艦首だったが、凌波性に問題が生じたため、艦首を延長して大きな傾斜を持つ、アトランティック・バウと呼ばれる形状となった。
 また、煙突の後方に主マストが設けられていたが、その結果として排煙が前方に流れ艦橋からの視界に影響を及ぼすことが判明したので、主マストを煙突の前方に移したり煙突上部に傾斜を持つキャップを新設したりした。
 1939年12月にゼータクト型80cm波レーダーを装備している。 1940年5月のライン演習作戦にも参加する予定だったが、エンジンの不調や乾ドックへの爆撃によって参加できなくなった。
 1942年に敢行されたツェルベルス作戦で指揮を執ったオットー・チリアクス提督は一番艦「シャルンホルスト」の初代艦長。
 ツェルベルス作戦はブレストから白昼堂々ドーヴァー海峡を突破し、本国へ帰国すると言う大胆不敵なものであったが、同時に帰国すれば檻に囲われたようなものであった。
 姉妹で行動することが多かった。第一次大戦時の巡洋艦もまた姉妹艦であった。
 その整った艦容から世界で最も美しい艦と評されることも。

 

 後部マストが艦尾に近い方がシャルンホルスト。近くないのがグナイゼナウ。
 割かしツイてるのがシャルンホルスト。錆びつく程度にツイてないのがグナイゼナウ。

 

 一番鑑:シャルンホルスト
  ヴィルヘルムスハーフェン工廠。空母を沈めた数少ない艦のひとつであり、独海軍の中でも幸運艦に数えられる艦でもある。
  1942年2月11日から12日のツェルベルス作戦では磁気機雷に二度触雷し、ヴィルヘルムスハーフェンに何とか辿り着いている。
  北岬沖ではビスマルクのように英艦隊に包囲され、孤立無援の中奮戦を続けた。英軍は本艦にとどめを刺すのに55本の魚雷を発射。うち11本が命中したと言われる。
  乗員1968名のうち生存者は36名。
  艦名はプロイセンの軍制改革者から。
  艦長:クルト・ケーザル・ホフマン大佐→オットー・チリアクス大佐→フリードリヒ・ヒュフマイヤー大佐→フリッツ・ヒンツェ大佐

 

 二番鑑:グナイゼナウ
  キール工廠。進水式ではメルカー夫人がその艦首にシャンパンの壜を打ち付けた。また、船台を下りる艦の速度が出過ぎていたため牽引鎖が切れ、艦尾を対岸の防潮堤に打ち付けている。
  一番艦「シャルンホルスト」が英空母「グロリアス」を沈めた際には強力な妨害電波で相手の無線を妨害していた。
  この戦闘で沈んだ英駆逐艦「アカスタ」の生存者は上等兵がひとりだけだった。
  姉がいないとあまりにもツイていない。Uボートから誤って雷撃されかけたこともある。姉と重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」と一緒に居てようやく並かそれよりマシな位のイメージである。
  ツェルベルス作戦では重巡洋艦「プリンツ・オイゲン」とともに無事ブルンスビュッテルに到着した。
  その後2月25日の夜に爆撃に晒され、艦首に直撃弾を受け燃料タンクの換気孔から立ち上っていた可燃性ガスに引火。鎮火した時には乗組員116名が死亡し、艦首部が事実上消滅していた。
  ゴーテンハーフェンに曳航され改装されることとなったが、結局放棄され錆び付いた。各砲は蘭と諾の海岸防御砲台に移された。
  1945年3月27日に閉塞船として「シュレスヴィヒ=ホルシュタイン」と並んで沈められた。
  艦名はプロイセンの軍制改革者から。
  艦長:エーリヒ・フェルステ大佐→ハロルド・ネツバント大佐→オットー・ファイン大佐

 

  提督:ヴィルヘルム・マルシャル中将→ギュンター・リュッチェンス中将

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