
23型水雷艇(メーヴェ級)
基準排水量938t、10.5cm単装砲×3門、20mm単装機銃×2門、55.0cm三連装魚雷発射管×6門、機雷×30発
主機関舶用缶×3基、ギアードタービン×2軸、出力23,000hp、速力33ノット
第一次大戦後初めて計画された水雷艇。発注された当初は駆逐艦に分類されていたが、より大型のZ型が発注されたため、改めて水雷艇に分類された。
外見は独自性が目立っているが、デザインは従来の技術や手法に大きく依存していた。英海軍の水雷艇S113とB114を参考にしている。
水雷兵装について、計画当初の雷径は50cmだった。
二番砲塔直前に増載された20mm単装機銃数基は後1942年にヴィールリンク四連装機銃と換装された。後部測距儀も撤去、20mm単装機銃1基と換装。
1943年中には逆探用空中線を前檣上へ設置し、後1944年頃にレーダーも装備。前後檣にその空中線を取り付けた。
当時の艦艇に漏れず上部重量軽減のために艦橋構造と檣高を縮小、救命筏が艦上に多数あった。
第二次大戦開戦時には第5水雷群を編成。当初は北海で「西の壁」防備機雷堰設定にともなう敷設・護衛の諸任務に従事した。
駆逐艦隊が英国東岸沖へ攻勢機雷敷設に出動する際には帰路支援にあたる、偵察戦隊の巡洋艦を直衛する任務にもあたっている。
実戦活動の大部分は英仏海峡から仏大西洋岸地域での、輸送船団やUボートの護衛や機雷敷設作戦だった。
西部仏での活動は1940年9月から開始され、各艇ともロッテルダムで改修工事を行う1941年春まで続いた。その後は一旦バルト海からスカゲラックで行動した。1942年のツェルベルス作戦には揃って参加している。
1940年4月のノルウェー侵攻(ヴェーゼル演習)作戦ではシュテティンで修理を受けていたファルケ以外の5隻が参加した。
艦名は猛禽類から。
・メーヴェ
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。ブローム・ウント・フォス式タービン。出力22,100hp、速力32ノット。先行艦として、寸法に若干の相違がある。
5月8日にノルウェー南西沖で英潜水艦タークーの雷撃を受け1943年の春まで実戦復帰できなかった。
1943年5月に「ファルケ」と「コンドル」に「グライフ」と共に合流した。ノルマンディー上陸作戦の際には、「ファルケ」と共にノルマンディー沖の連合侵攻艦隊に対して数回の攻撃を敢行したが、その後6月14日のル・アーブルへの空襲により沈没。
独語でカモメの意。
艇長:ヘルムート・ノイス大尉
・ゼーアドラー
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。ゲルマニア式タービン。
1942年5月、襲撃艦「シュティーア」を護衛中にグリネ岬沖でMTBの雷撃を受けて沈没。
独語でオジロワシの意。
・グライフ
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。フルカン式タービン。
セーヌ湾で空襲の餌食となり沈没。
独語でグリフィン(グリフォン)の意。
・アルバトロス
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。シーヒャウ式タービン。
1940年4月のノルウェー侵攻(ヴェーゼル演習)作戦中にオスロフィヨルドで沿岸砲台と交戦、その後擱座した。
独語でアホウドリの意。
・コンドル
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。シーヒャウ式タービン。
1942年10月~11月にファルケと共に仏配備。翌1943年5月には「グライフ」と「メーヴェ」に合流した。
1944年5月23日、触雷し大破。その後8月1日のル・アーブルへの空襲により被爆損傷し解役へと至り、祖国の海に帰還することはなかった。
独語でもコンドルの意。
艇長:ハンス・ヴィルケ大尉
・ファルケ
ヴィルヘルムスハーフェン工廠。フルカン式タービン。
1942年10月~11月に「コンドル」と共に仏配備となった。
ノルマンディー沖の連合侵攻艦隊に対して「メーヴェ」と共に数回の攻撃を敢行し、その後の6月14日ル・アーブル在泊中に爆撃を受け沈没。
独語でタカの意。