
O級
基準排水量31,152t、38.0cm連装砲×9門、15.0cm連装砲×6門、10.5cm高角砲×8門、37mm連装対空機関砲×8門、20mm四連装対空機関砲×20門、53.3cm魚雷発射管×6門
主機ディーゼル機関×2軸8基+蒸気タービン×1軸、出力176,000hp、速力33.5ノット
基本計画はドイッチュラント級から派生。シャルンホルスト級の改良版と言える。3隻が計画されていた。
重巡洋艦を確実に沈め、戦艦から確実に逃走できる能力を有する準主力艦という位置づけだった。
シャルンホルスト級と類似点や艦影も似ているが、速力を重視したことによりディーゼル機関と蒸気タービンの複合動力を採用したことで煙突が2本となっていた。
前部がディーゼル機関排気用煙突で、後部が蒸気タービン用煙突だった。
搭載されたディーゼル機関はドイッチュラント級に搭載されていたMZ42/58型を小型化し、より信頼性の高いものに改良したVZ45/58型で、その出力は14,500hpだった。3軸中、外側の2軸は各4基ずつのVZ45/58機関が置かれ、2軸の合計出力は116,000hp。中央には60,000hpの蒸気タービンを置き、全軸合わせて176,000hpを発揮。33.5ノットという速力を出した。
蒸気タービンとの複合動力により、全機関がディーゼルのH級と比べると航続力が短いが、両舷のディーゼル機関だけを駆動させても25ノットを出せた。
速力を重視したため必然的に装甲は犠牲となり、正面から撃ち合うことは危険とされた。
ドイッチュラント級(シャルンホルスト級)の改良版として計画され、装甲強化に骨子を置いて自艦の主砲に対応できる防御力を持った28cm三連装砲×2基+15cm連装砲×2基で排水量23,000tの艦が予定されていたが、排水量は倍になっているにも関わらず攻撃力は同等だという点から、主砲を38cm連装砲×2基とした排水量23,700tの案も挙げられたが主砲が4門のみでは有効な射撃ができないと指摘され、設計は頓挫。結局、船体をより大きくして主砲、副砲をそれぞれ3基としたシャルンホルスト級と同じデザインに落ち着いた。
当初より設計が二転三転し、起工から竣工まで三年半という短期間での建造を予定されつつも他のZ計画艦同様、第二次大戦開戦のために起工すらされずに建造中止となった。
一番艦:O
二番艦:P
三番艦:Q