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紅色の弧が笑んだ

もう一度だけと逢瀬を願えば

野垂れ死にされちゃ寝覚めが云々

囲われた鳥は愛らしく啼く

夜は長し、世は短し

冷やかしなら帰っておくれといつもの軽口

ちょいと待ってよ想い人

 

12番-僧正遍照

天つ風

雲の通ひ路←イマココ

吹き閉ぢよ

をとめの姿

しばしとどめむ

水面に揺れる、心が揺れる

願うより叶えよと腕を組む

世迷言と笑わないでおくれ

輪廻を共に巡りましょう

お涙頂戴よりも尚かなしい

詰まる所の帰結でありまして

流布せし言葉と真偽

 

​13番-陽成院

筑波嶺の

峰より落つる←イマココ

男女川

恋ぞつもりて

淵となりぬる

一緒に死のうと嬉しい囁き

無いものねだって困らせて

華やぐ世界を裏返せば

望み望まれ叶わずに

やめてやめてと受け入れる

魔に逢う時に君に会う

野風に吹かれて何処まで行こうか

 

​16番-中納言行平

たち別れ

いなばの山の←イマココ

峰に生ふる

まつとし聞かば

今帰り来む

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