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カツリと硬く細い指先が機体を押し留める。明らかに接近を拒んでいる相手に構わず、足を一歩踏み出せば、華奢と形容できる機体は躊躇いながら後退った。ゆるゆると横に振られる首に説得力は見られない。ズイと顔を近付けて、液晶になっている顔の、目の辺りを指先で撫でてやると、愛らしく肩が跳ねた。

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貴方はPスタ音で『負けず嫌い』をお題にして140文字SSを書いてください。https://shindanmaker.com/375517
 

負傷した同僚に肩を貸しながら、なぜ無茶をしたのかと訊く。情報奪取の任務は遂げられていた。先に帰投すれば良かったと。
「おま、お前ひとり置いて俺様だけ帰れるかよ。腰抜けだと思われるだろ!」
捲くし立てられ、少しキョトンとする。けれど、同時に上昇していく機体温は、心地良いなと思った。

貴方はノイ音で『無自覚バカップル』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517

どうにも仲間意識が強いらしい、と二機を眺めていて思う。飄々としていた橙色の機体が、紺藍色の機体に対しては実に親身である。対する紺藍色も、橙色に対しては実に真摯な様子である。互いを助け合うなどごく自然と言った風で――しかも近い。なぜか近い。精神的な意味で面倒が増えている、と思った。

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貴方はノイ音で『不意打ちで言うのはやめていただけますか』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517

好きだ、と形を成した音に全ての動作を停め、ハ?と空気が抜ける様な音を漏らしてしまった。「だから、好きだ、と言われたのだが、」「――あ、あぁ、言われた……言われたのな……えっ誰に?!」驚きから落胆に似たものへ感情が揺れる所に挙げられる水色の名前。あぁ、この数分で何度息を詰めるのか。

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貴方はGFスタ音で『名前を教えて』をお題にして140文字SSを書いてください。shindanmaker.com/587150

意識が戻り、視界に映った機体に、既視感を感じた。その機体を知っている気がした。そんなはずはない──。ふと思い浮かんだ名前を口の中で小さく転がせば、その音は甘く解けた。こちらを見る相手もまた、驚きや戸惑いのような空気を纏っていた。小さく零された音は、たぶん、自分が零したものと同じ、

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貴方はGFスタ音で『息の根止めて』をお題にして140文字SSを書いてください。
 https://shindanmaker.com/375517

主人とやらに随分心酔しているらしい。気にくわない、と思う。それを殺せばあれは誰の下に就くだろうか。あれは稀有な戦力だと男は認識している。自陣に取り込むに越したことはない。ああけれど。その主人とやらを殺して──目的の方も抜け殻になったとしたら。主人と共にその息の根も止めたとしたら、

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貴方は大帝音波で『飼い犬に手を噛まれる』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/587150

「つまり飼い犬に手を噛まれたのか」至極面白そうに彼は笑った。笑い事では無い。実際不本意に時間を無駄に浪費させられたのだから──男は口端を下げる。その様子に、また彼は笑みを零した。「失礼」「……」「だが、私は主人の手を噛むような駄犬ではないぞ」くすくす、と囁く声に男は鼻を鳴らした。

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貴方は大帝音波で『逃がしはしない』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517

​(某ツイートから流れを少々拝借( ˘ω˘ ))

扉が開いたと思ったら見覚えのある腕がジリジリと床を這っていた。それだけで只事ではないと思う。だのに、その指先が扉の溝にかかったところで止まり、ヒッ、と引き攣った音が聞こえた。次いで、待て、とこれも聞き覚えのある声。震える指先が、そして、部屋の中へ悲鳴と共に引き摺り込まれて行った。

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貴方は大帝音波で『どうでもいいよ、そんなこと』をお題にして140文字SSを書いてください。 https://shindanmaker.com/375517

下に就くのを拒む理由を聞き出して、その理由に男は実に詰まらなさそうに目を細めた。そして一言、そんなことはどうでもいい、と言い放った。聞き出された方の目が丸くなる。つまり、彼の目的も背景もどうでもよく、ただ自分の手元に置けるか否かだけが重要で──それは可であると男は判断したらしい。

GF
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