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I lost my sense of smell

 

……インゴの嗅覚が機能しなくなったのは、ほんの2,3ヶ月前だ。

否。正確には、分からない。もっとずっと前からだったのかもしれない。

 

2,3カ月前にボクが巫山戯てキツい香水を付けた時。その時に、気付いたんだ。

「あれ、インゴ反応ナシ?」てっきりいつもみたいに無視されてるのかと思った。

「反応?何に反応しろと言うのです?」「え、」まさかキミ、と言葉を続けても彼は首を傾げるだけ。

「におい、わからないの?」いっつもスグに香水くさいと顔を顰めていたのに。

 

――――気付かなかった! ボクは気付かなかった!

 

大切な片割れの異常に!そう思いながらボクは急いで渋るインゴを病院へ引っ張って連れて行った。

原因不明。完治不可。専門用語のぎっしり詰まった堅苦しい先生の話を要約すると、そんな感じの内容だった。

詳しいことは何もわからなくて、気付いたら気休めの薬を貰い帰路についていた。

得体の知れない“何か”に片割れのモノを取って行かれた、という晩夏のような敗北感のみが残る。

 

そんなボクとは対称的に当のインゴは驚く程あっけらかんとしていた。「犬でも、死ぬわけでもあるまいし、別にいいでしょう」と。確かに、医者からは命に関わるようなことではないと言われたが。

 

「…よく、わからない」

「何が、」

「何もニオイしないのが、どんななのか」

「どんな、と言われましてもね…特に不便は無いですよ」

 

そう。嗅覚だけ。嗅覚だけなのだ。失われた感覚は。

他の感覚――味覚や視覚なんかは未だ機能している。

 

インゴはお昼ご飯のバーガーを食べてからセットのコーラを一口飲んで、「甘い」と言った。

けれど、多分。紙袋のにおいやパンのにおいは感じていないのだろう。

ボクはやっぱり分からなくて、ポテトをつまむ。ケチャップの甘酸っぱいようなにおいが鼻腔に広がる。

においがあるから美味しいと思うんだけどなぁ。

 

「あぁ、ですが――そうですね、」

 

休憩時間が終わって、ボクはダブル、インゴはシングルトレインへそれぞれ戻るとき。

 

「いつか、貴方の香りを忘れて、貴方の香りが分からなくってしまうのかもしれないのは、」

少し、怖いです、と後ろから抱き締めてきた。声が、少し震えている。

 

嗚呼、多分彼は。それが怖いのだ。

 

「…ふふ。インゴ、デレてる?」

「……何とでも言いなさい。この愚弟」

ぎゅう、と締め付けてくるけど、いつもみたいに胃の中身が逆流しかける程じゃなくて、まるで縋るみたいな力の入れ方で、とくんとくんと心地いい心臓の鼓動が伝わってくる。それに膝カックンもされてないから、かなり貴重。

「大丈夫。ボクが刻みつけてアゲルから」

「…上等です」

彼が、背後で少し笑った気がした。

 

重ねた手は、手袋越しでも温かかった。

カポメトロ - 視覚

Ho perso la vision

 

はて。困りました。

 

「トーン、いますか? トーン?」

廊下からパタパタとする足音。そして「アンディ?! どうしたの?! アンディ?!」と言う声と同時に扉が勢いよく開く音。

ベッドが凹み身体が僅かに沈む。……手を付いたのか、腰かけた、のですか、ね?

「トーン、今何時ですか?」

真っ暗で何も見えないのです。と言うと、顔にあたたかい感触。それと、伸ばしていた脚にかかる重み。

あぁ、わたしに乗り上げたのですね。そして涙声が降ってくる。

「アアアアアアンディイィイイイィ?! だだだ大丈夫?!」

「大丈夫です。大丈夫ですから、落ち着いてくださいませ」

 

そんなこんなで落ち着いたトーンとお医者様に行きました。

歩き慣れているはずの街の道でも目が見えないと恐ろしいものですね。トーンがいてくれて本当に助かりました。

さて。お医者様によりますと、何らかのポケモンの技の影響、ということでした。

そして、もう治ることは無いだろう、とも。

「そ、んな…せっ、先生! 目、ぼくの使ってよ!ぼくの目、アンディに…!」あぁ、それでは貴方から光が消えてしまいます。「良いのですよ、トーン。これも運命です」

 

そう言って病院を出たものの、トーンは手を繋いだまま愚図っているようでした。

「泣いているのですか」と訊けば、弟は素直に「だってアンディもう見えない」と。わたしの胸に顔を埋めてきました。

 

たしかに――明るい木漏れ日や青い空、美しい海はもう見ることは出来ませんね。あたたかい太陽や鳥の歌、穏やかな潮騒は感じ取ることが出来ますが。

 

「わたしは、トーンがいるので大丈夫ですよ」

「…わかった。ぼく、がんばる」

その直後、浮遊感。

「ひッ――?! ちょ、貴方何して、」

「いいの。アンディ。ぼく、がんばるから」

これは、所謂、お姫様抱っこ、というヤツですね。頭上ではトーンがまだ喋っています。

「ぼくがアンディの目になるから、書類とかも、頑張るから、だから、」

きっと、また泣き出しそうな顔をしているのでしょう。

「それは大変有難いのですが、トーン。男性同士でお姫様抱っこは、シュールじゃないですかね」

優しく揺れる振動とあたたかい日差しが心地いい。

「うぅん。アンディ軽いし細いし、女の子みたいだから大丈夫」

「――――――」

顔に熱が集まるのが分かります。

「あ、アンディ照れてる!カワイイ!」

無邪気な笑い声。ようやく、笑いましたね。そう思いつつも、

「みっ見ないでくださいませ!」

恥ずかしいものは恥ずかしいのです。

 

……あぁ、トーンは今どんな顔をしているのでしょう。いつものように笑ってくれているでしょうか。

数年後、十数年後も笑ってくれるでしょうか。わたしは、貴方の顔が、笑顔がもう見られないのです。

わたしの濁った眼球は、二度と世界を映すことは無いのです。

 

そう思うと、鼻の奥がツンと痛くなりました。

 

「…ッ、トーン、わたしっ、」

「なぁに?」

「こわい、です…! とても、怖い、です…っ!」

「うん」

 

何とか家に戻ってきたけれど、リビングでぼんやり日向ぼっこをしていたアンディがふと、堰を切ったように、ぼろぼろとその綺麗な双眸から涙を零した。

見えないことへの恐怖。仕事への支障。ぼくへの迷惑。そのほかにも色々なことを咽びながら謝った。

彼が悪いわけじゃないのに。何度も、何度も謝罪した。

 

彷徨う手はぼくを探していたから、ぼくはその手をそっと握る。

そしたらアンディは手を遠慮がちに引き寄せて、ぼくに抱きついた。

そのまま、しばらく。

ぼくは上手な慰め方なんて知らないから、上下する背中をさすってあげることしかできなかった。

 

「……すいません」

また謝って

「お見苦しいところを、」

離れようとしたから

「大丈夫。アンディ、綺麗だよ。目も、変わらない。うん。大丈夫」

今度はぼくが抱きしめる。

 

それから数ヶ月後。

メトロロッタに黒いカポメトロの姿は無かった。

ヘフェメトロ - 味覚

He perdido mi gusto

 

「…あれ」

黒いヘフェメトロは首を傾げる。

「味付け…ちゃんとしましたよね、ワタシ」

鍋の中のサルモレッホに視線を落とす。あるのは、いつも通りに作った何の変哲も無いサルモレッホ以外の何ものでもない。

入っているものも、いつもと同じ店で買った野菜、調味料。しかし、何か、違和感。もう一度、味見をしても、「…!」味が無い。

「ちょっと、カリル…あ、」

兄を呼ぼうにも未だ帰ってきていない。

彼に非が無いことを理解しつつ、フェロはぼそりと「役立たず」、と悪態をつく。

いつもならウザったいくらいに絡んでくるのに。

しかし仕事なのは仕方がない、と自身を納得させ台所を離れる。

いつもと同じ手順で作ったのだ――まぁ、そこまで不味いことはないだろう、とエプロンを脱ぎ、リビングへ向かう。

柔らかいソファに腰かけテレビのリモコンを手に、情報を視る。自分たちには遠い世界の事件がツラツラと流れてくる。興味がない。

とは言っても時刻は午後6時過ぎ。報道以外の番組は子供向けのアニメ以外始まっていない。

これは暇だと、フェロはやや乱雑にテレビを消し、寝室へ向かった。

 

シングルベッドをふたつ、寄せ合わせて一枚のシーツで繋いだだけのダブルベッドは両親の残したもので、わざわざ離して別の部屋へ移動させるのも何だろう、ということで、そのまま使い続けている。

 

今は一人。遠慮なくベッドへ倒れ込むと、ボフン、と気の抜ける音がした。

いつもは二人で使っているので少し狭いと思っていたが、どうやら一人で使うには少し大きい。

「(あ、カリルのにおい、ですね…)」

日々の仕事でたまった疲労も手伝ってあっさりと、フェロの意識は落ちた。

 

――――――――。

甘いにおいに意識を引き戻される。人の気配にうっすらと目を開ける。

「うわ。なにこのベタな展開」

ぼんやりとした視界に入る人物は、その声でフェロに存在を知らせた。

「カリル…おかえり、なさい」

やや寝ぼけて仕事から帰ってきた兄を労う。

「うん。ただいま。フェロ」

しかし白い兄は弟の上から退こうとはせずに、まぁ良っか、とそのまま唇を重ねた。

また甘いものを食べていたのだろう、鼻腔にふわりと果物のようなにおいが広がる。

が、しかし。矢張り、「(――甘く、ない…?)」視界がぼやける。

「――ふふ、フェロ、泣くほd「食事が出来ておりますが」…はい」

 

ベッドのサイドテーブルにある時計を確認。午後9時38分。

 

フェロは台所へ行き、夕方に作っておいたサルモレッホを温めなおし、もう一品ほど作る。

カリルはクローゼットにコートをかけ、ネクタイ(リボン)を外してリビングへ行きテレビをつける。

 

「今日のごはん、なぁに?」

「サルモレッホとシーザーサラダですよ」

テーブルに並べて、二人揃ったところで食べ始める。

「じゃあ、いただきます」

カリルがスプーンで一口。

「うん。美味しいよ」

少し安心。

「そう、ですか」

自分も口に運ぶが、味は無く、ただその存在を示して喉の奥に流れていく。

 

「フェロ、飲み物いる?」

「あ、すいません」

そういえば飲み物を用意していなかったかと気付く。

冷蔵庫へと向かう兄の背を見送って、数分後。出されたのは、アイスティーだろうか、コップに注がれた黄金色の液体。

口をつけても矢張り味は無く、

 

「え」

と、フェロは兄の声を聞く。

カリルは手にしていた自分のコップをテーブルに置き、弟の顔を両手で固定して、向き合わせた。

「フェ、ロ…?」

まさか。これは。

「それ、リンゴジュースにラグドゥネーム溶かしたヤツ…」

「――――ッ!」

わからなかった?と優しく問いかけてくる兄にフェロは答えられなくなる。

気まずそうに目を泳がせていると、頭の回転が良い兄は核心を突いてきた。

「味、わかんなくなっちゃった?」

 

今度こそ。弟は兄の手を振り払う。

「そう、ですよっ…わからない、酸いも、甘いも…!」

俯いて、顔を両手で覆う。

「でも、生きてるから、大丈夫」

「大丈夫なワケ、ないでしょう…! もう、貴方に料理を作ってあげられない…いつも甘味ばかりとっている、貴方の為に、作っていた料理が…!! それでもし! 貴方が病気で死んだら! 大丈夫じゃ、ないですよ…」

「…フェロ、」

その告白は、その言葉は、愛の言葉にもよく似ていた。

「ありがとう」

 

白い兄は、わらって黒い弟を抱きしめた。

「(でも、ボクを殺すのはキミのような気がするなぁ)」

メトロマイスター - 触覚

Ich verlor den kontakt

 

メトロマイスターのヒンは病室の、白い清潔なベッドの上にいた。

 

一日中。何をするわけでもなく。天井を眺めて過ごす日々がかれこれ2,3ヶ月続いていた。

動かされることのない四肢は細く、また日光に当たることのない肌は白い。

つけっぱなしのラジオからは外の情報が心地良い喧噪として流れてくる。

 

…そういえば今日はシングル、マルチ、ダブルと、バトル専用のメトロは全て運休の日だったか。

病室に縛り付けられている自分の代わりにメトロで駆けずり回っているであろう兄に対して罪悪感が芽生える。

シングルはどうなっているだろうか。見舞いに来る兄に訊いても、大丈夫の一点張り。

どうにも、すべて一人で受け持っているようだった。

 

小さな備え付けの机の上には花瓶いっぱいに各国の同僚たちから届けられた花々が活けてあり、その近くには花と一緒に届けられた色とりどりのメッセージカードや手紙が置いてある。

特に日本からは定期的に手紙が届いて、暇つぶしにはよかった。

 

「ヒンー?」

病室に仕事帰りなのだろう、白い制服を纏ったままの兄が入ってくる。

「ヘーア、お疲れ様です」

視線を寄越すと兄は制服のポケットから手紙を取り出した。

「はい、コレ。アンディとトーンからかな」

アンディとトーン。実の兄のように自分たちを慕ってくれている、イタリアのメトロマイスターたち。

内容も彼ららしいもので、手紙を書いている姿を想像して頬が緩んだ。

 

「…ねぇ、ヒン、」

しばらくして、何かを決したようにヘーアが口を開いた。

「ボク、言わないよりは言った方が良いと思うから、言うね?」

「…ええ」

「…先生の話によると、ヒンの余命はあと5ヶ月くらい…もって半年くらい。それより早くなるかもしれないけど、大体このくらい、らしい。最終的に脳の感覚まで麻痺して活動が停まっていって、死に至る、らしい」

悲しそうに、しかし努めて気丈に“いつも通り”口角を上げて兄は語った。

「……そう、ですか」

兄の話を聞き終えた弟は、少なからずショックを受けたらしい。そこで初めて目を伏せた。

ぎこちなく、昨日よりもまた動かしにくくなった手を動かして、読み終えた手紙を丁寧に折ると、顔を上げた。

 

うつくしい、表情。

 

「…それでは、兄様。ワタクシのすべてが停まってしまうまで、甘やかしてくださいますか?」

 

あぁ、弟は。

なんて強いのだろう。

恐怖も孤独も闇も、すべて受け止め受け入れて、微笑むのだ。

 

「………うん。もちろん」

 

救われることのない世界で、やさしく口付けた。

チーフメトロ - 聴覚

J'ai perdu l'audition

 

「―――シャマル! シャマル!」

しかし前方を歩く兄は決して振り返らない。

おそらく僕の存在にすら気付いていないだろう。

 

僕は小走りをして兄の背中に抱きつく。

びくりと身体が強張ってパタンッと本の閉じる、小気味の良い音が構内に響く。

どうやら兄は本を読みながら歩いていたらしい。

申し訳ない気持ちと注意をしたい気持ちがせめぎ合う。

しばらく背中に顔を埋めていると、前に回した腕、というか制服で僕だと気付いたのだろう、とんとん、と腕を指で叩かれた。続いてごそごそと動く腕。

その腕が止まり、ひらりと目の前に出された紙には、やはり兄の整った文字で“何事ですか?”と書かれていた。

僕が身体を離すと兄はふわりとコートを翻して僕に向き直る。そして僕が手ぶらなのを理解すると、持っていた厚い本とペンを差し出した。僕はそれを受け取り兄の文字の下に要件を書く。

“マルチトレインに挑戦者。今42両目だから僕ら7両目で待つ”

兄はこくこくを頭を縦に振る。

“わかりました。49両目まで来てくださると良いですね…それではキャムシン、出発進行です!”

穏やかな、おそらく僕以外は見たことが無いであろう微笑を浮かべてペンを走らせるとマルチトレインの方へ踵を返す。

 

ここ最近シングルもマルチもノーマルですら挑戦者いなかったからなぁ…。

トレインの発車音が嬉々とした咆哮に聞こえた。

 

――――兄は耳がきこえない。

 

先天的なものではない。つい最近、きこえなくなったのだ。

原因はストレスからくるもので、最初は難聴から始まり、とうとう聴覚を失うに至ったのだ。

 

ストレス。ストレスである。本人に心当たりはないらしいが、医師にはそう診断された。

 

音が一切聞こえないということは、音を紡ぐことが出来ない、ということで。

しかし20数年間培ってきた創音感覚は身体に刻み込まれていて、相手の言っていることさえ分かれば以前と分からないまま普通に会話ができるはずだった。だが兄はそれを良しとしなかった。己がちゃんと伝えたい言葉を伝えられているか、アクセントはおかしくないか、等々を確認できない恐怖から、完全に耳が聞こえなくなった日から兄は口を閉ざしてしまった。

そして、それと同時に筆談でのコミュニケーションが始まったのだった。

 

「ようこそメトロコンバット、スーパーマルチ49両目。じゃあ改めて自己紹介。僕はキャムシン。チーフメトロをしてる。隣は同じ。チーフメトロのシャマル。…ここまで来たひとってホントに少ない。だけど誰が来ても同じ。さァ、始めよう?今までで一番すっごいバトル…!」

久しぶりの口上を述べる弟の横で。その兄は典雅に一礼する。中世の気高い貴族を思わせるように。

挑戦者がボールを構える。口角が自然と上がる。

「――――ルールを守って安全運転! ダイヤを守って皆さんスマイル! 指さし確認、準備オッケー!目指すは勝利、出発進行――――ッ!!」

四つのボールが、宙に放たれた。

 

「ご乗車アリガト~また乗ってネ~」

久しぶりのバトルは中々に白熱したもので、車両のあちらこちらが破損してしまっている。

常連で廃人の少年少女を見送った後、僕らは顔を見合わせて盛大に笑う。

僕ら以外、誰一人いないシンとしたホームに朗々とした声が響く。

『二人ともまた強くなってたね!』

『えぇ、またメトロが瀕死の重体になりましたね!』

筆を持つのも、動かす時間も惜しくて手話を使って会話をする。

そして訪れる、穏やかな静寂。

メトロを愛しげに眺める兄の、その横で弟は兄を愛しげに見つめる。

 

「(今は、このままで。どうか)」

キャムシンは、その時ばかりは兄の耳が聞こえないことに感謝した。

 

「あいしてる。あいしてるよ、シャマル」

「それで、ごめんね。きっと僕の所為だね」

「きみから音を奪ったのは僕だね。ごめんね」

「でも、僕は幸せだよ。だってきみは、」

 

その先は、音に成らなかった。

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