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​原型でも擬人化でもどちらでも

楽器のチョイスはテキトーと言う名の個人の趣味です_(:3 」∠ )_

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 スタジオから少し離れた木陰で、その機体は本を広げながら鼻歌を歌っていた。全体の休憩時間、というわけではないけれど、出番ではないから、暇を潰す目的も兼ねてスタジオの側の広場で小さく歌を歌っていた。

 さや、と時々吹く風に広げた本の頁が踊る。自分たちが演じている物語とは違い、何も急く必要の無い、ゆったりとした穏やかな時間を、踊る紙を落ち着かせながらサウンドウェーブは実感する。

 歌いながら、けれど自身は物語に集中しているサウンドウェーブの側を、その親友が通りかかった。

 その日の分の撮影は終えているはずの親友が、何をしているのだろうとノイズメイズは足音を忍ばせて近寄る。すると懐かしい旋律が聞こえた。昔はよく耳にしていたのに、ここしばらくはお互いに仕事が忙しくて口遊むことも聴くこともなかった、歌。それを聞いて、ふむ、とノイズメイズは小さくひとり頷いてその場を離れる。

 出演者たちは、撮影のため現場――もちろん色々なロケ地も含まれる――に半ば泊まり込んでいる。いちいち各自宅から現地に集合するのは面倒であろうし、何より集まるまでに時間がかかるということを考慮してのことである。最も頻繁に使用するスタジオの側にあるホテルを拠点として、ロケ先では旅館や民宿を借りることもある。無い場合は――プレハブの宿が臨時的に建てられる。そしてそれらの仮住まいには、各々日用品や嗜好品、娯楽の品などが持ち込まれているのだった。

 ノイズメイズがサウンドウェーブの居た場所へ戻ってくると、親友はまだそこにいて、相変わらず本を読みながら鼻歌を歌っていた。今度も足音を忍ばせて、サウンドウェーブに近寄る。

「久しぶりに合わせてみるか?」

「――ッ、う、わ……!」

近寄って、聴覚器の側で囁くと、大袈裟なくらい目の前の肩が跳ねた。

「の、ノイズメイズか……びっくりした……」

「驚いてもらえて何よりだ。で、どうする? 合わせるか?」

悪戯っぽく肩を揺らすノイズメイズが挙げた手には楽器のケースが握られていた。久しく見ていなかったその中に入っているものを、サウンドウェーブは覚えていた。バイザーの奥で丸くなっていたオプティックが、嬉しそうに細められる。

 少しの時間、音の調整をして、ノイズメイズはケースから取り出した楽器を構える。

「お前のバイオリンを聞くのは久しぶりだな」

「俺だって、お前の歌を聞くのは久しぶりだ」

特別高いものではないけれど、昔から弾いている、手に馴染んだ木のあたたかさとかたち。目配せをして、ふたりだけの音楽会は緩やかに幕を開けた。曲目は、彼らの故郷の民謡。

 民謡と言うものは、アレンジや替え歌がしやすいらしく、遠く離れた土地で意外なかたちで親しまれていたりするものである。それは彼らの故郷のものも例外ではなかった。

 これからの話の打ち合わせが一段落ついたスタースクリームはスタジオの周りを気分転換に歩いていた。そこで、少し離れた場所にある広場の近くを通りかかって、楽しげな歌声とバイオリンの音色を捉えた。興味を覚えて音のする方へ足を向けてみると、小さな広場にはサウンドウェーブとノイズメイズが居て、後者がバイオリンを弾いているのが見えた。歌声は言わずもがなサウンドウェーブのものだろう。じゃれ合うようなふたつの音を聞きながら、スタースクリームは踵を返す。

 手元と懐かしい歌に集中していたノイズメイズは突然加わった音に驚いた。歌っている親友の方を見れば至極楽しそうに肩を揺らしていて、またその歌声も微かに震えている。疑問符を浮かべながらも不意に増えた音の方へ眼を遣れば、そこにはバイオリンよりも一回りほど大きいヴィオラを弾いているスタースクリームが居た。予想外の参加者にノイズメイズの手元が仄かにブレる。そうして揺らいだ旋律を、スタースクリームのヴィオラはごく自然に美しく繕った。チラと寄越された視線は、弾くならばこのくらいはしろ、とでも言っているようだった。

 ひとの動きとは不思議なもので、ひとりがやってくると後から後からなかなか途切れない。

 スタースクリームが合流してからさして時間をかけず、三機を目撃したのはサンダークラッカーだった。

「なんか楽しそうなことやってんな!」

それぞれ楽器を弾き、歌を歌っている姿を見て何を思ったのか――キョトンとした表情を一瞬浮かべた後、オプティックを輝かせてサンダークラッカーは言った。言って、そうして、バタバタと忙しなく走り去って行った。

 数分と経たずにサンダークラッカーはスタースクリームが持って来たものよりも大きな楽器ケースを持って戻って来た。何故かこちらも楽器ケースを持ったドレッドロックと一緒に戻って来た。

「オレも!入れてくれよ!」

「まさかとは思ったが……珍しいこともあるものだ」

「だろー?オレの言った通りだろー? あ、それその辺置いてくれ」

途中でつかまったのだろう、二機の後ろにはアンプを抱えたガスケットとランドバレットがいた。その二機はアンプ以外に何も抱えていない。サンダークラッカーの指示でガスケットたちが適当な場所にアンプを置くと、楽器ケースの持ち主たちがその蓋を開ける。サンダークラッカーがエレキギターを、ドレッドロックがベースを、それぞれ取り出して手早くアンプと繋げる。アンプを運んできた二機はそのまま聴いていくらしく、その場に腰を下ろしていた。

「そんじゃひとつカッコよくキメてやるぜ!」

「あんまり調子に乗らないようにな」

ドレッドロックの揶揄いに、うっせー、とサンダークラッカーが笑う。そしてバイオリンやヴィオラの邪魔にならないように合わせ始める。ついでドレッドロックがベースで先行している音色たちの下をかためていく。聴衆――と言っても二機だけだが――は華やかになっていく音楽会にやいのやいのと盛り上がっている。

 すると不意にフルートの音がスルリと滑り込んで来た。

 はて、とサンダークラッカーやガスケット、ランドバレットが音のした方を探ると、ひょこりと顔を出したのはライブコンボイだった。彼はフルートを口に当てたまま少しだけ肩を竦めてオプティックを細める。何を言わずとも、この音楽会に参加させてもらう、という意思は汲み取れた。フルートを吹いていなければ穏やかなライブコンボイらしく、素敵な音楽会だね、参加しても良いかな、とでも言っていただろう。

 その民謡は故郷の伝承を歌っていて、さして難しい旋律ではないけれど、長い。冒頭から飛ばさずにすべて聴くと十分近くは優にかかる。企業のCMや替え歌に使われている長さは、つまり序の口なのである。しかし演奏に参加したものたちは飽きる様子もなく賑やかに演奏や歌唱を続けている。

 次に現れたベクタープライムは既にチェロを持って来ていた。

「賑やかな音楽会が開かれていると小耳に挟んでな?」

先に来ていた機体の、数機から、おや、というような視線を受けた機体の影から、ヒョコリと小さな影が三つ顔を出す。どうやらいつの間にかその小さな機体たちがこの音楽会を知って、保護者とも言えるこの大きな機体の手を引っ張ったらしい。小さな機体たちから窺う視線を受けた機体たちの中、サウンドウェーブが言葉にはせずとも、ベクタープライムに対して、舞台役者のように腕を広げながら誘うように軽く礼をした。窺うようだった小さな視線がその姿を見てパァッと輝いた。そうしてまた一機音楽会の参加者が増え、また聴衆も増えた。

 続々と楽器を持ち寄って参加する機体が増えているわけであるが、彼らは別にサボっているとかいうわけではない。それぞれ仕事は一区切りつけているし――なによりベクタープライムが参加した時点で全体の休憩時間に入ったのである。いつもより幾分か早く始まった休憩時間は、進行に支障は出ないけれどいくつか見当たらない機体がいるな、といったスタッフの小さな心配からでもあった。それはまったくの杞憂であったわけだけれど――。

 スタジオや建物から一時的にでも解放された人々がゾロゾロと出てくる。その中の何割かは件の音楽会の音を耳にして、そちらへ足を向ける。

 作品内とあまり違いの無い威圧感を纏って――ただし本人は威圧しているとは思っていない――現れたのはマスターメガトロンだった。

「――低音が足りんな」

「俺はリズムが足りねぇと思う」

そしてその背後にはフレイムコンボイがいて、二機はそれぞれその手にコントラバスとカホンを持っていた。わァー、と緊張感の無い声を誰かが漏らした。

 ベースが担っていたリズムにカホンが加わる。バイオリンからコントラバスまで集まったバイオリン属は何故かヴィオラとコントラバスが水面下で小競り合いを始め――そういえば冷蔵庫に入れておいたみたらし団子が消えてた云々で揉めていたな、とチェロとバイオリンは傍観を決め込む。

 参加者の個性が色濃く滲む音楽会の聴衆は種を問わず増えていた。漠然と楽しいものだと聞いているものもいれば、ヴィオラとコントラバスの様子に苦笑をこぼしているものもいる。

 人だかりに引き寄せられるように近付いてきたのはエクシリオン、バックパック、ファストエイドの三人組だった。正確には前者ふたりにファストエイドが引っ張られているようなかたちだが。

「わ。わー、すげぇ!」

エクシリオンがひどく感激した様子でオプティックを輝かせる。普段撮影で見ている姿とはまた違った姿に新鮮さを感じているのだろう。確かに、撮影で見る顔とはだいぶ印象が異なっている、とファストエイドは思った。

「ファストエイドも行って来たら?」

思っていると、バックパックが笑いを含んだ声で肩を叩いてきた。

「は……? はぁ?何言ってるんだ」

「ファストエイドも弾けるじゃないか」

無責任に言ってくれる、と溜め息を吐く。そりゃまぁモノによっては、弾けないこともないが――と。そこまで考えて、ん、と内心首を傾げる。バックパックは行って来たら、と言った。けれど今自分の手元に楽器は無い。

「バックパック、楽器が無いのにどうやって――」

「はい、これ」

「……何故、」

「いやぁ。こんなこともあろうかと?」

ヘラリと笑ってアコーディオンを手渡される。その様子を見たエクシリオンが人々の注目の的となっている方へ声を張り上げた。

「ファストエイドも!参加させてもらうぜ!」

「おまっ、何勝手に……! ハァ……仕方ないな。楽しそうだし、少しだけな」

注目が自分に集まるのは気恥ずかしいものがあったけれど、折角盛り上がっている場に水を差したくはない。それに、なにより、先に演奏しているものたちが楽しそうで――入れるなら自分もあそこに加わりたい、と思った。バックパックから半ば押し付けられたアコーディオンをしっかりと受け取って、ファストエイドは奔放に広がる音の中へと踏み込んでいく。そして、街で耳にしたから――だけではない、懐かしさを感じる旋律に自分の音を重ねていった。

ノイメイくんの顔面について捏造有​。

大帝さんが……だいぶ……お茶目です……oh...

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店舗予約購入特典/スタッフによる出演者へのインタビューDVD

(※店舗によってDVD内容は異なります)

 

 

 

【インタビュースタッフ挨拶】

 

(今回インタビュアーに選ばれました)

(どうぞよろしくお願いします)

 

お辞儀するように上下するカメラ

 

(自分はノイズメイズさんとサウンドウェーブさん中心にインタビューするように、と言われました)

(ので、このお二方中心のインタビュー映像になります)

 

(他のメンバーのインタビュー映像は他のスタッフが撮影しているようです! 要チェック!)

 

 

 

【中略】

 

 

 

【35話撮影後】

 

撮影終了の合図後、談笑中の出演者に近付くカメラ

 

コビーら子供たち三人とスタースクリーム、ノイズメイズがカメラに気付く

 

(今日も撮影お疲れ様です)

ノイズメイズ(以後、ノイ)「お? あ、ああ……おつかれさま、です?」

バド「カメラ! これもインタビューのカメラ?」

(そうです)

ローリ「どっちの担当さんだったかしら」

スタースクリーム(以後、スタ)「私の担当ではないな」

コビー「じゃあノイズメイズの担当だね」

(そうですね)

 

(さっそくですが、今回の撮影はどうでした?)

コビー「いきなりザックリ聞いてくるんですね……」

 

撮影者が笑ったらしくカメラが小さく揺れる

 

ノイ「どうって言われても……別に、普通だったぞ?」

バド「いやいやいや。ギャグ成分増し増しだったでしょ!」

ローリ「テレビのくだりとか、人間臭い通り越して庶民臭かったわね」

バド「何回か噴き出しちゃってリテイクになっちゃったんだよ~……絶対NG集に入れられてるよアレ……」

スタ「トランスフォーマーも生命体だからな。仕方ないな」

コビー「何が!?」

ノイ「しかもアレ台本にちゃんと書かれてたヤツっていうな。台本二度見したわ」

スタ「でもノリノリだったという」

バド「だいぶノリノリだったよね」

ノイ「言うな!言わないでください!」

 

片手を口元に当ててクスクス笑う仕草をするスタースクリームとバド

話が続かないと思ったのか、少ししてコビーが助け舟を出す

 

コビー「そういえばあのラジカセ?って、あれ誰のなの?小道具?」

ローリ「あれに似たやつ、スタジオの側で拾ったことあるわよ。スタッフさんに渡したらなんかすごく驚かれたけど」

スタ「青いラジカセ……サウンド……ウッ、記憶が」

ノイ「あんたの記憶じゃないだろ、それ……」

バド「で? 結局あのラジカセ誰のなの?」

ノイ「撮影に使ったのは私物だ。持ち主は……これネタバレにならないか?言って大丈夫な範囲か?」

(DVDの購入特典なので大丈夫だと思います)

ノイ「なら言っていいよな。あれの持ち主はサウンドウェーブだ。監督に持って来てくれって言われて、持って来たらああなったらしい。ちなみに選曲も監督」

ローリ「え、じゃあ、あたしが拾ったのも?」

スタ「あれは大先輩だろう」

ノイ「時々来てるもんな、他のシリーズのひと」

バド「もしかしてこの前スタジオのすみっこで、どうして俺が出てねぇんでぃ!って叫んでた黒と紫のひとも他のシリーズのひとだった!?」

ローリ「え、えー!?」

コビー「じゃあローリが拾ったラジカセもトランスフォーマーだったってこと?」

 

首肯するスタースクリームとノイズメイズ

 

バド「どんなトランスフォーマーだったのかなぁ……でもきっとあんなに小さいものにトランスフォームできるんだからマイクロンの仲間だよね」

 

そっと眼を逸らすスタースクリームとノイズメイズ

 

(そ、そういえば先程は何を話してたんです?)

ノイ「あ、あー。ほら、本編で俺の似顔絵の落書きが出てきたろ? だから、まぁ、いろいろ落書きしてた」

(見せてもらっても?)

ノイ「いいんじゃないか?」

コビー「ちょっと恥ずかしいけどね」

スタ「私は構わん」

ローリ「えっ、ちょ、やだ!恥ずかしい!」

バド「えー、いいじゃーん。ほらカメラさんコレだよ!」

ローリ「あっ、コラ!バド!やめなさい! やーめーてー!」

 

バドとローリが鬼ごっこを始める

 

周囲は止める素振りを見せず笑いながらふたりを見ている

 

 

 

【中略】

 

 

 

【40話撮影後】

 

(撮影お疲れ様です)

 

例の如く出演者に挨拶をするカメラ

 

サンダークラッカー(以後、サン)「あ、お疲れサマでーす」

 

手を振ったり会釈をしたりしてカメラに挨拶をする出演者たち

 

(お疲れ様です)

(今回の戦闘シーンはどうでした?)

マスターメガトロン(以後、マスメガ)「ん? あぁ……すごく、大きいです……」

 

周囲の出演者数名が噴き出す

 

マスメガ「冗談だ。いやまぁメガロコンボイたちが圧倒的な大きさを持っていることは確かだが」

サン「ちょ、不意打ちでそういうこと言うのやめてください……!」

フレイムコンボイ(以後、フレコン)「コレ今の大丈夫か?ピー音とかカットとか入れるのか?」

(たぶん無修正になるかと)

フレコン「無修正!? 無修正でイイのか今の!?」

(大丈夫だと思います)

 

(ところで戦闘シーンはほぼアドリブなんですよね?)

クロミア(以後、クロ)「そうね。アドリブっていうか、ほぼ成り行きね」

サン「台本には誰々と戦う~としか書いてないからなー」

(ということは、ギャラクシーコンボイさんとサウンドウェーブさんの戦闘シーンも?)

サン「そうそう。アレもアドリブ。すごいよなー」

 

サンダークラッカーがマイペースに差し入れを食べているサウンドウェーブを呼ぶ

 

サン「なぁサウンドウェーブ、ギャラクシーコンボイとの戦闘シーンどうだった?」

サウンドウェーブ(以後、音波)「ほぁ? あ、ああ、」

 

(普通にマスク外してるんですね……)

音波「マスクしてたら飲食できないじゃないですか?」

 

(そ、そうですね……えぇと、今回ギャラクシーコンボイさんとの戦闘シーンがありましたが、どうでした?)

音波「どう……まぁ、合わせやすかったと言えば、そうですね、合わせやすい相手でした」

マスメガ「わかる。わかるぞ。あいつ真っ直ぐ来るからな」

サン「マスターメガトロンさんも真っ直ぐ合わせて突っ込んでくじゃないですかやだー!」

マスメガ「相手が真っ直ぐ来たならこっちも真っ直ぐ行った方が映えるだろ!絵面とか物語的に!」

クロ「でも合わせるの初めてだったんでしょ? すごい上手に合わせてたわよね」

音波「かなりの速度と火力で来られてだいぶ驚いたがな!」

サン「まぁ初戦で敵の頭と戦闘ってのもなかなか……」

フレコン「でも互角にやりあってたよな。顔見せ補正とかそういうのか?」

サン「し、知らねぇよ、そんなこと!俺に聞くなよ!」

クロミア「そうねー。サンダークラッカーに聞いてもねー」

サン「なんだよ!ほっとけよ! オレが本気出してギャラクシーコンボイに勝っちゃったらマズいだろ! 取り直しとか、リペアや調整だって時間かかるんだし!」

フレコン「お、おう……そうだな……?」

 

音波「ほらキラーコンドル、こっちも美味しいぞ」

クロミア「あなた本当にキラーコンドル好きね」

 

 

 

【中略】

 

 

 

【44話撮影後】

 

エクシリオン(エクシゲイザー)、バックパック(バックギルド)、ファストエイド(ファストガンナー)、ノイズメイズ、サウンドウェーブが談笑しているところに近付くカメラ

 

(共闘回お疲れ様でした)

エクシリオン(エクシゲイザー。以後、エク)「カメラ!お前らもやっぱインタビュー受けてんだな!」

 

興味津々と言った様子で覗き込まれるカメラ

 

バックパック(バックギルド。以後、バック)「そりゃそうでしょー」

ファストエイド(ファストガンナー。以後、ファスト)「我々は席を外した方が?」

(いえ、そのままで大丈夫です)

(むしろ皆さんの自然な様子を……)

ファスト「そうですか。じゃあこのままで」

バック「お行儀よくするんだぞ、エクシリオン」

エク「なっ、なんだよその言い草ー! オレいっつもお行儀いいだろー!」

ノイ「お前らほんと仲良いよなー」

エク「そっちだって仲良いだろ!」

バック「……なんだろう、顔見えてないはずなのにすごくドヤってされてる気がする」

音波「ふ、ふふ。正解だ。今ドヤってしてるぞ、ノイズメイズ」

バック「え、ほんと? なんか嬉しくない」

ノイ「俺だってお前に察せられても嬉しくねぇよ」

ファスト「しょうもないことで突っつき合うんじゃない」

(仲が良いようで何よりです)

 

(今回はノイズメイズさんとサウンドウェーブさんの背景が示唆された回だったようですね)

音波「そうですね。と言っても、放送される分だけじゃ足りないと言うか補完が必要になりそうですけど」

ノイ「お前の役の設定見たけどあの設定考えたの誰なんだ?」

音波「いや知らないが……監督、とか、か……?」

エク「え、そんなにヤバいの?」

バック「役設定の紙とか持ってたりする? あるなら見てみたいなぁ……」

音波「あるぞ。これだ」

 

胸部から紙の束を取り出して広げるサウンドウェーブ

 

エク「うわ……うわぁ、なにこれ……重過ぎでしょ」

ファスト「なんということだ……」

(設定の書かれた紙を見せてもらっても?)

音波「良いですよ」

バック「あぁ……はい、これ」

 

下にブレて差し出された紙を映すカメラ

 

エク「なぁ、お前さ、大事にしろよ……その、友達をさ」

ノイ「言われなくてもわかってるって……」

 

神妙な声になっているエクシリオンとノイズメイズ

 

音波「でもキラーコンドルがいるので大丈夫です」

ノイ「俺もいるだろ!」

 

(……戦闘シーンでは特殊な状況が用意されたようですが、どうでしたか?)

ファスト「特殊……確かに特殊でしたね。今までにない状況での戦闘シーンで」

音波「今回のMVPは間違いなく私のキラーコンドルだと思うんですよ」

ノイ「そうだな」

 

ヘキサゴンをカメラに見せようとするサウンドウェーブをそっとおさえるノイズメイズ

 

バック「そういえばサウンドウェーブの声真似すごかったけど、音声データどれくらいダウンロードしてるの?」

音波「監督からは出演者全員分のデータを渡された」

ファスト「まぁ音声データはそんなに容量とらないし……」

(声真似をしてみて、されてみてどうでした?)

音波「楽しかったですよ? 台詞部分はアドリブだったんですけど……若いって良いですよね」

 

言いながらエクシリオンの方を見るサウンドウェーブ

 

エク「えっ。なん……やめろよ!やめてください!」

音波「楽しかったな!」

エク「ハイ! アッ、ちが、これは……ちょ、声真似やめろよぉ!」

 

ギャラクシーコンボイの声真似をするサウンドウェーブに反射的に反応してしまったエクシリオン

 

周囲は遠慮することなく笑っている

カメラも揺れている

 

 

 

【中略】

 

 

 

【47話撮影後】

 

(撮影お疲れ様です)

(お二人はこれで九割の撮影が完了した、ということで良いですか?)

ノイ「お疲れさん……あー、そうだな。これで九割終わったな」

マスメガ「お前らまだ出てくるのか?跡形もなく消えたのに?」

スタ「気になるか。私たちが今後どのように登場するか、気になるか」

音波「だが監督に口止めをされているのでな……その時が来るまで秘密だ!」

マスメガ「なん……だと……!?」

(……仲良いですね)

 

(ところで前回サウンドウェーブさんはギャラクシーコンボイさんに「続きはいずれ」と台詞がありましたが、あの後なにかありましたか?)

音波「なんですかその質問……ふふふ。なにか……なにかってほどではないですけど、お茶はしましたよ」

ノイ「待って俺そんな話聞いてない」

 

勢いよくサウンドウェーブの方を見るノイズメイズ

 

音波「言ってないしな」

ノイ「な、なんで……」

音波「私だって最近までお前がデストロン軍の役者やスタースクリームと食事に行ったりしていることを知らなかった」

ノイ「えっ、あっ、いや、それは……っていうか誰から聞いたんだ!?」

音波「……」

 

無言でスタースクリームとマスターメガトロンの方を見るサウンドウェーブ

 

スタ「……」

マスメガ「……」

 

サウンドウェーブの視線から顔を逸らすふたりの肩は小さく揺れている

 

ノイ「なっ……なん……! っていうか、え? お前らいつの間にそんな話なんてするようになったの?え??」

マスメガ「共演者とコミュニケーションをとるのは当然のことだろう」

スタ「自然な動きと円滑な撮影のためにもな」

ノイ「な、ならどうして俺抜きで……」

音波「失念していたんじゃないか? ギャラクシーコンボイ総司令官殿が」

マスメガ「ギャラクシーコンボイ総司令官殿だからな。失念していたのかもしれないな」

 

スタ「というか、なんだ、一緒に行きたかったのか?」

ノイ「や、いや俺は別に……ただ、意外だったっていうか、そんな素振り全然なかったからっていうか、」

 

ノイズメイズをニヤニヤしながら眺めるマスターメガトロンとスタースクリーム

 

(そういえば、ノイズメイズさんもフェイスパーツあるんですか?)

スタ「ん? あぁ、あったぞ。普通に」

マスメガ「見ての通りのフルフェイスカバーだからあまり着脱したくないと言っていたな」

(……見せていただけたり、)

 

スススッとノイズメイズを映すカメラ

 

ノイ「あ? あー……今ここで、か?」

 

少し困ったように頬の辺りを掻くノイズメイズ

 

音波「残念だがそれはダメです。見せられないぞ!」

 

唐突にカメラとノイズメイズの間に割り込むサウンドウェーブ

噴き出すマスターメガトロンに対してスタースクリームは死んだ魚の目をしている

 

ノイ「んー……まぁ、そうだな。面倒臭いからコレを今ここで外すのは勘弁してくれ」

(そうですか……それは残念です)

 

(おっとカメラの充電が……もっと撮っていたいのは山々なのですが、今回はここまでのようです)

(ではみなさん、残りの撮影もよろしくお願いします!)

 

四機の、スタッフのコメントに対する声や手を振る姿が入り、暗転

 

 

 

【後略】

インタビュー
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