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深夜のテンションで(書きたいとこだけ)書いた。それっぽいふいんきで。ふいんき。

備考:先生は頭部+四肢に防具の状態。細けぇこたぁ良いんだよ(AA略)

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「――ッ、ァ、」
ぐちりぐちりと音が鳴る。武骨な指が、腹の中を擦る。
「――、」
じゅぽりと指が引き抜かれた後に、ひたりと当てられた熱の名前は――。

 ハッ、ハッ、と熱く湿った呼吸。狩人は覆い被さっている影を見上げる。熱に火照り、理性が焼け落ちたような、溶けるような笑み。迷子の弟を見つけでもしたときのような、とろけた表情。けれど同時に、そこに人らしい理性の光は感じられない。噎せ返る汗と欲に侵されたよう。浅く短い呼吸を繰り返し、時折思い出したかのように狩人を呼び、ひたすら腰を振る。
 あぁ、と。正しく獣だ、と狩人は思った。
 「っは、ぁ゛……っ゛、ぅ゛、」
もう何度目か、腹の中で熱が弾ける。熱が吐き出される直前、楔を腹の奥にぐりりと押し付けられ、狩人もまた身体をふるわせた。数度――それよりも前か。少し前から狩人は熱を吐き出していなかった。正確には、吐き出すものが無くなっていた。だから――慣らされた身体もあって――婦女子が如く、快楽の頂きに及んでいた。
 頭の横に置かれた相手の腕に縋って快感を味わう。そうして互いに絶頂に身を委ね、しばらくしたらまた相手が動き出す。今回もその通りだと狩人は思っていた。けれど相手は狩人の身体が落ち着くのを待たず、寝台に突いていた手をするりと退かした。離れていく腕を追うように、狩人の指先が空を柔く掻いた。
 狩人に覆い被さっていた影が退く。相手が上体を起こした。室内の淡い灯りに、相手の汗ばんだ身体が照らされる。かたち、輪郭、色艶――端々から若さを感じさせる身体は、まるでしなやかな獣だった。こく、と狩人の喉が小さく鳴った。それを知ってか知らずか、相手は微かに目を細めた。ゆるりと弧を描く唇。そしてそのまま目蓋は閉じられる。
「あ、ぁ――、」
未だひくひくとふるえていた内腿に、獣の歯が、立てられる。
 ぬるり、と舐られる感覚は、その音も引き連れて来る。脚を開かせ、足を持っている手が触れる場所から焼かれていく。ああ、と狩人は、相手の事など考えずに、思わず身を捩って逃げようとした。
 けれど獣は、獲物を捕食するためならば、多少の不自由など気にしないようだった
 ぐるり、と狩人は寝台に這いつくばる。シーツはとうの昔にぐちゃぐちゃになっている。そんな白い波を掻いて、握りしめて、狭い寝台の上で藻掻く。ず、ず、と腹に打ち込まれた楔が、少しずつ抜け出て行く感覚。その感覚にもぞくぞくと呼吸を震わせながら、狩人は獣から離れようとする。して――。
 「せんせ、」
ぎゅう、と背後から抱き込まれた。掠れた、甘ったるい声が頭の横を撫でる。抜け落ちかけていた楔が打ち戻され、んぐぅ、とこれもまた甘ったるい声が狩人の喉から押し出された。ひたりと背中に相手の胸や腹が重なって、ちゅっちゅ、と愛らしい音の雨が降る。とくんとくんと逸る、欲と熱の音が肌を打つ。
 そろりそろりと、身体を抱えていた手が胸元へ伸ばされていた。そうして、ギュッと胸の先、はしたなく実をふくらませていた小さな果実を摘まんだ。狩人の身体がびくびくと跳ねたのは痛みからだろうか。それとも。

 溺れていく。溺れてしまう。激しく、優しい波に揺さぶられながら狩人は喘ぐ。
「せんせ、っ、おれの、――っ、きもちぃ、ですか……っ? ね、せんせ、」
「ぁ、お……っ♡ ――~~~ッ!!!♡♡♡♡♡」
「ぼうぐ、してても――っ、わかりますよ、おれ……っ、せんせ、いま、すごいとろけたかお、してる、って、」
くふふ、と子供のような笑い声が首筋をくすぐる。ぐるる、と背後で獣が喉を鳴らしている。
 愛しい。好き。大好き。言葉にされない想いが体温から伝わる。触れる指先、肌から交わる。
 シーツを掴んでいた狩人の手に、相手の手が重ねられる。それはこれ以上の逃げを許さないためか、ただ触れたかっただけか――答えはきっと、どちらでも良かった。

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