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たいていおんぱ~って書いてたのにこれノイ音じゃね?

むしろ大帝+音波←ノイみたいな?アレ??

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「――、」
それまで動かずにいた機体がピクリと顔を上げた。その親友は釣られて視線をそちらへ向ける。
「どうかしたのか?」
どこか遠くを見ている気がする姿へ、努めて調子を崩さずに訊く。
「……決着がついたようだ」
「そう、か」
親友の様子からして結果は思わしくないらしい。ふたりで次元を歪め、境界を抉じ開け、共に飛ばされたもう一機が言葉を手向けた相手が、敗北したらしい。
 面白くない、と思う。この親友が、滅多に揺らぐことのない感情に起伏を見せるのは、多くの場合自分たちの主に関することである。今回接触した件の相手は、その気配を色濃くにおわせた。不在の主に依存気味であった親友を、やはり接触させるべきではなかっただろうか。
 兎角――復讐の手段は失われ、これでまた振り出しに戻ったわけである。
「…………行こう」
少しの間、何もない空間を見詰めていた機体が、ふいと顔を逸らす。そこで、その親友は、予想していたより未練のない素振りに思わず首を傾げた。
「不思議そうな顔をしているな。向こうが気になるか?」
今度は首を傾げられた機体が、面白そうに首を傾げて見せる。
「あれは主ではない。近しくとも、主ではない。そうだろう? 私たちがあれの行く先に関わることもあるまい」
「そう……そう、だな」
「あそこで終わったというなら、それだけの話だ」
二言目にはやはり、主、だったけれど――接触した相手がその興味関心の対象にはなっていなかったらしいことに安堵を覚えた。自分の考え過ぎだったか、と胸を撫で下ろす。
「ああ。利用したヤツのことなんていちいち考えてやることないよな」
「今回は少しばかり期待したが――上手くいかないものだ」
だから、その機体の親友は、不満気な声に朗々と返すことが出来た。
「大丈夫。俺たちなら成し遂げられる。だろ?」
お前の傍には俺が居る。俺だけで十分だと、言外に滲ませながら、あくまで励ますように言葉を吐く。

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