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「あっはははは!!ねぇねぇ君ホントに僕なの?! ヘタレにも程があるよ!!」

腹を抱えて笑い転げる自分と同じ顔の男をクダリは忌々しそうに睨みつける。

「おかしいのはそっちだと思うなぁ! なんでそんなに兄さんとイチャイチャベタベタしてんの?!」

「だって僕らサブウェイマスター。クダリとノボリの二両編成」

「僕だって!僕だって! 兄さんと……!」

「両想いだと思うけどなぁ」

「!!」

口角を上げたまま当然と言わんばかりに断言するクダリにクダリは頭を抱えてしゃがみこんでしまう。

その反応が面白くてたまらない、というようにもう一人のクダリは追い打ちをかけるようにぼそりと呟く。

「さっさと聞いちゃえばいいのに」

「え、え、」

「あ、僕が聞いてきてあげようか?」

「うわあぁあああぁぁぁぁあああ!」

 

「仲がよろしいようで」

「えぇ。そうですね」

「何を話しているのでしょう?」

「……さて、何でしょう」

ちらりちらりと耳に届いている弟たちの会話内容は彼が考えているであろう微笑ましいものとは遠くかけ離れているもので、ノボリは知らぬが仏だろう、と伝えないことにした。

「ところで、ノボリ様」

「はい。何でしょう」

「お二人はよくハグやキスをされるのですね」

「! …えぇ、まぁ、そうですね。お二人は、されないんですか?」

「私は構わないのですが…」

「(……つまりクダリ様はヘタレなのですね)」

「嫌われているのでしょうか」

「それはないと思いますよ」

 

なぜなら私たちは二人で一つの存在だからで御座います。

 

私、僕の誇り

(それは君の隣にいること!)(それは貴方と並んで立つこと)

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