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140字で書くお題ったー(https://shindanmaker.com/375517)さんから

​上から順にネルソド、テオソド、ハンソド、ヴァルソドのながれ。

 

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貴方はネルソドで『なんだって知ってた』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

滅尽の名を付された龍は知っていた。何をどうすればどう壊れるか。だから、平生壊している竜や龍たちよりもなお脆弱な人間だとかいう生き物を壊すことなど容易かった。累々と転がる肉塊たち。最後に残った──残した狩人の呼吸が小さく震えているのが聞こえ、あぁ、とその龍の鼓動が一つ大きく爆ぜた。



 

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貴方はテオソドで『それは寒い夜だった。』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

砂漠の夜は冷える。だと言うのに何の気紛れか炎王に抱え込まれたこの状況下での体感温度はむしろぽかぽかと暖かいくらいである。うっかりと出会し、そのまま戦闘になるかと構えたが、炎王龍は王らしい気紛れを見せ、尻尾で引き寄せた狩人を抱え込んだ。今夜だけ、一時の休戦だな、と狩人は目を閉じた。




 

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貴方はハンソドで『迷子のお知らせ』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

翼竜に振り落とされ、先生とはぐれた。幸いにも初めての場ではないしお互い素人でもない。けれど心配でないと言えば嘘になる。腰元の虫籠へ視線を落とせばふわふわと急かすような動き。どうやら導いて欲しい対象は知られているらしい。

けれど、いつの間ににおいを覚えたのかとハンターは頭を掻いた。

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貴方はハンソドで『優しくしないで』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

優しくしなくていいと言われた。理由は察せられる。装備の所為か或いは特有の何かがあるのか、やたらと人外に求められた末の、身体の順応結果だろう。当人はそれを後ろめたく思っているらしい。だからこんなことを言うのだ。けれどそんなことは承知の上なのだから、出来る限り優しくしてやろうと思う。



 

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貴方はヴァルソドで『手繰り寄せた糸の先』をお題にして140文字SSを書いてください。

 

目覚めてその傍に番と認めたものの姿が無いことに屍套龍は気付いた。それが居た筈の場所には昨夜腹に注いでやった白が溜まっている。またか、と龍は立ち上がる。あれは時々ここから逃げようとする。地面に残る小さな足跡。細い糸のように空気に残る瘴気を辿り、谷の主はゆったりと番の元へ歩き出した。

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