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獣姦っていうか竜姦っていうかそんな感じの短い話。
色々捏造・ファンタジー✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌

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 「――はッ、あ゛、う゛ぁ、ア゛、」

息苦しい。生き物の腐った臭いと酸が入り混じった、ひどく澱んだ気体が呼吸を侵す。平時の整った呼吸下でも、この場に満ちる空気――瘴気は人間の体力を削っていく。だと言うのに、現状と言えば儘ならない呼吸に身体が必死に空気を取り込もうとしている。

「ひぃ゛ッ゛――、ぅ、ぐ、う゛ぅ゛ッ」

苦しい。胎に捻じ込まれた異形が、まるで雌のそれを穿つように抽挿を繰り返す。ぐちゃぐちゃと粘り気のある水音が下肢から聞こえて来る。ごりごりと内壁を抉られる感覚。人間のモノとは違う形状の、竜種の陰茎が収められた男の腹は、心なしか薄く膨らんで見える。露わにされた肌と触れ合う鱗の身体が震えたと思えば、ドロリと胎内へ熱が吐き出された。

 

 何故こうなったと男――ソードマスターは思う。ふとした気紛れでこの瘴気の谷まで少し足を延ばしたことがそもそもの原因か。それとも偶々瘴気が濃くなり、谷に棲むものたちがいつもより興奮状態にある中に来てしまったことか。絶えず垂らし掛けられる麻痺液と、獲物を逃がすつもりのない押さえ付けに耐えながら、また世界が歪む。

 当初、不意打ちで飛び掛かられた時には即席で作っていた松明が瘴気を晴らしていた。ソードマスターもまた集まって来たギルオスの群れに対処し切れていた。しかしどこからか集まって来る際限の無さに消耗していき、頭上を飛んでいたラフィノスに体勢を崩されたことが決定打となった。よろめいた獲物に我先にとギルオスたちが麻痺液をかける。そして倒れ伏した狩人を見下ろす竜たちに、喰われる、と狩人は思ったのだ。

 けれどギルオスたちはソードマスターを自らの血肉とはしなかった。防具のやわらかい部分を切り裂かれた時は突き立つ牙を覚悟したが――肌に触れたのは牙よりもしなやかな何かだった。それは臀部を舐めまわしていたかと思うとその割れ目を弄るようになり、更に奥まった秘部への侵入を試み始めた。一体何をと痺れる身体を無理に動かせば、自分の下肢に寄せられるギルオスの頭。信じたくは無かった予想の的中に、その目に絶望と困惑が浮かんだことは、別段おかしなことではないだろう。他の個体に動かした頭を押さえ付けられ、ザリザリと不快な音と臭いを間近に感じても、それを気にする余裕は無かった。

 爬虫類じみた細い舌が出入りするようになると、次いでヒタと宛がわれたのは異形だった。まともに動くことのできないソードマスターはそれを目にすることはなかったけれど、それはむしろ幸運だったのかもしれない。爬虫類と近しい姿を持つギルオスたちは、爬虫類と同じ半陰茎というわけではないが、モノ自体の形はよく似ていた。人間の身体に収めるには凶悪そうな、棘や返しを伴った生殖器。それが、躊躇われることなく、異種であるソードマスターの後孔へ押し付けられた。

 細い舌からの飛躍に当然身体は拒絶を示す。

「や゛ッ、なにを゛──、い゛ッ゛、ァ゛ァ゛ァ゛!」

ギチギチと無理矢理押し進められる生殖器に不自由な身体はそれでも逃げを打つ。それを押さえ付け、キュウと固く口を閉ざそうとする孔へ麻痺液が垂らされる。するとその部分の筋肉が痺れ上手く力が入らなくなったのか、先程よりも拒絶は見られなくなる。ピクピクと時折訪れる痙攣も、挿入されたモノを喜ばせる刺激にしかならない。

 大したトラブルも無く為された結合にギルオスが満足げな鳴き声を漏らした。

 

 それからは入れ替わり立ち代わりであった。獣のように腰が振られ、中に出された。ごりごりと内壁が蹂躙される。人間の事など考えないその行為は、しかし時折人間の性感を煽る場所に触れていき、身体の自由を奪われた人間を苛んだ。同時に、ただ苦痛だけだった行為に快感を見出している自身に対しての困惑と否定が浮かぶ。

「はッ゛、あ゛……げほッ、ぅ゛あ゛、ぁ゛……、」

松明が燃え尽き、空いた穴を埋めるように瘴気が戻って来る。取り落とした得物はもう少し手を伸ばせば届きそうな距離。けれどその距離が遠い。ふと視線を彷徨わせれば、煙る瘴気の向こうから、大きな影が近付いてくるのが見えた。

 身体に集っていたギルオスたちが僅かに退く。その中を堂々と通って姿を現したのは、やはりドスギルオスだった。

 体表に無数の傷を持つその痺賊竜は周囲のギルオスを見回し、そして彼らに凌辱された人間を見た。ヒュウヒュウといつも相対する狩人たちとは違う呼吸音。下半身は白濁に塗れ、防具は鱗が擦れて傷付き、素肌に至っては赤く色付いている。しかし頭部装備に覆われた下から覗いた眼にはまだ光があり――痺賊竜は咆哮を一つ挙げた。

 痺賊竜が背後へ回り、群れの長らしい生殖器を露わにする。それまでのギルオスたちのものより長大なそれを、ずぷずぷとソードマスターの胎内へ挿れていく。何体ものギルオスたちによって拓かれ、慣らされた孔は、多少の窮屈さを感じさせながらも、痺賊竜のソレをしっかりと受け入れる。奥深くまで進んだそれは、やはり凶悪な形をありありと内壁に刻み込んでいた。

 ズルル、と痺賊竜の腰が引かれ、生殖器が引き抜かれていく。かと思えばバチンと音が鳴るほど強く腰が叩き付けられる。挿入されてから一息吐けた程度の制止からすぐに抽挿が始められる。

「ア゛ッ、や゛ぁ゛ッ゛、や゛め゛ッ、」

じゅぷんじゅぽんぐじゅぐぽっと酷い音が谷に響く。悲鳴のような嬌声を面白がるように痺賊竜が鳴き、囃し立てるように周囲のギルオスたちが鳴く。通じるはずの無い言葉で行為の中断を求めるのは反射のようなものだろう。だが、それも徐々に表情を変えたものになっていく。

 「なん゛――ッ、これは、ァ゛、なにか、く、ぅ゛――、」

どちゅっどちゅっと奥を突かれながら、自身の内からせり上がって来る何かに戦きを見せる。

「あ゛――ッぁ゛りえぬ、ッ、このような゛ッ゛、かはッ、ぁ゛ッ、ア゛ッ゛、――! ――~~ッ!!」

途端、既に麻痺液など無くとも大して動けなくなっていた身体が大きく震えた。

「ヒュッ――え゛ほッ、ま゛っ、うご、あ゛あ゛ッ、ぅッ、ぐぅ゛……!」

びくびく跳ねる人間を押さえ付け、痺賊竜はなおも腰を動かして己の快感を追う。きゅうきゅうと締め付けて来る孔が愛らしい。自分や狩人の発情に中てられたのだろう、部下たちが近くで絡み合い始め、個体によっては狩人の防具に生殖器を擦り付けている。

 「ふぅ゛──ッ! ぁ……ぅ、……ッ、」

程なくして痺賊竜が達し、ごぷりと多量の精液がソードマスターの腹に注がれる。煮えたぎるような熱が散々貪られた胎内をのたうつ。それと同時にフッと狩人の身体から一切の力が抜け落ちた。

 ここしばらくの欲をすべて吐き出した生殖器を人間の胎から抜く。こぽっと粘質な音と共に溢れ出した白濁は泡立っていた。痺賊竜はそれを特に気にする様子も無く、狩人の身体を巣へ持って帰ろうとする。これがあれば適当な雌を探しに出る面倒も無いだろうと考えたのだ。そうして人間を引き摺り始めてすぐに、痺賊竜の前に赤い身体を持つ四足歩行の竜が現れる。

 

 痺賊竜が加えている物を見て、惨爪竜が一鳴きした。ギルオスたちの臭いが纏わりついているけれど、それはこの防具とやらを剥げば気にならないだろうと言うことを、惨爪竜は知っていた。それでも気になる下半分辺りは、勿体ないけれど捨てるか臭いが落ちるまで放置しておけば良い。兎角その肉を寄越せと惨爪竜は痺賊竜を睨んだ。痺賊竜も黙って惨爪竜に従うわけもなく、両者は縄張り争いのごとく取っ組み合う。

 とは言え、軍配は案の定惨爪竜に上がり、人間の身体の所有者は谷の実力者となった。

 しかし彼にとって不運だったのは、獲物を引き摺って辿り着いた塒に別の人間が居たことだった。そいつは何やら骨塚を漁っていた。そして巣の主――正確にはそれが銜えていたもの――を見ると、こやし弾をこれでもかとぶち当てて獲物を担ぎ去ってしまったのだ。

 

偶々探索に来ていた5期団のハンターに回収された後、水場で簡単に洗われ、こっそりと拠点まで運び込まれたソードマスターは丸一日目覚めなかった。そして目覚めた後もしばらく寝込むことになるのだった。

が、その理由や詳細を正確に知る者はいないのである。

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