残念ながらえっちではないんだなぁ……( ˘ω˘ )スマンナ
どうでも良いけどEXガロン(デスガロン)の頭部装備、背後や煽りから見ると黒タイツ不審者なのなんとかならなかったんですかね。
雰囲気とかイメージを掴むための試作みたいな感じ
防具≠ハンター(人間)。人外モノになるのかなコレ_(:3 」∠ )_?
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「貴方、腹話術師になれますよね」
赤い獣を振り返りながら、青い鳥が小さく笑った。
青い番の突然の揶揄に、赤い彼は、しかし律儀にやや困った声音で答える。
「――仕方ないだろう。見られたらマズいんだ」
「フフ。ええ、まったく」
「…………お前も、ひとのことは言えないだろう?」
クスクスと楽しげな番の背に上体を乗せて、彼は番の口元を指で撫でる。パッと見ただけでは分からない、ツルリと硬質な鉄面は、けれど確かに番の「顔」だ。
「ンッ、ぅあ、」
さして迷うこと無く見つけた番の口に、グイと指先を押し込む。鼻にかかった声が漏れたのは、指とぶつかりぐちゅりと鳴った舌の感覚か――あるいは、上体が倒れたことで奥に押し込まれた下腹部の熱か。
「ンッ……ふッ、あ……、んむっ、んぅッ、」
ぐちゅぐちゅと彼の指が番の口内を掻き回す。
接吻をする度に思い知る、自分のそれよりも随分と低い体温。
けれどそれを、自分の手で高めていく悦びは狩りにも劣らない愉しみだ。
半身を挿入している胎だってそうだ。そっと指を差し込み、拓いた直後はひんやりとすら感じる。それを、中を擦り、奥を突き、全体を揺さぶっていけば――じんわりと熱を帯びてくる。
熱を帯びたと言っても、実際のところ、ぬるま湯程度だ。
しかしそれで十分だった。熱を持てば平均よりも高めの体温まで上がる彼からすれば、番の低い体温に自分の熱が移っていくのだから。
昂ぶりを銜え込んだ胎が、熱い、と身を縮こまらせるのだ。そして今度は番の口から、熱い、と譫言がこぼれる。その瞬間、ひくりひくりと震える腹の内側が、ひどく蕩けていることを、彼だけが知る。
そんなことを思い返しながら――はあ、と番の掠れた吐息を聞けば、ズクリと腰が重くなった。
「――……なに大きくしてるんですか」
「……お前のことを考えていた」
ペイ、と吐き出された指を大人しく引っ込めながら、やはり彼は律儀に番に返事をする。
「……まあ、良いですけど。別に」
何か言いたげな間を置いてから、番はしかし、続けるんでしょう?と彼を促す。
「どうでも良いついでに――貴方、後背位好きですよね」
「……そうだな。何故かしっくりくる」
外套の無い、滑らかな番の背を見下ろしながら彼は言う。筋繊維がそのまま表出したような自分には無い肌質を、撫でてなぞって辿って味わう。
「……、お前が嫌ならば、辞めるが」
「んっ……、フフ、そうですね……私は、向かい合う方が好きかも知れません。実際にしたことは無いので、断言はできませんが」
「……試すか?」
「ええ、ぜひ」
番の胎からズルリと半身を抜きながら、これはきっと自分たちの「元」が関わっているのだろうな――とぼんやり考えた。
彼らの身体は、やはり人とは異なっている。
例えば肌色。質感。体温。それぞれがそれぞれだ。
彼の場合「素材元」のように肌が紋様を描いている。質感も、人間の肌と比べて全体的に硬い。それは下肢も例外ではなく――つまり簡単に言ってしまえば、彼の半身は番の物と比べて硬質で、凹凸としているのだ。
対する番はと言えば、肌質こそ人の物よりは硬いけれど、人と比べて随分と滑らかだ。凹凸が少なく、ツルリとしている。半身も、色は薄く、ツルリとして――やや細身である。
そんな風に、彼らの身体は人間とは異なり、また各人異なっている。
同一ではない。しかし互いに異なる互いの身体を、彼らは確かに好いていた。
番が彼の肢体、半身を見詰める。紋様のような肌に伝う汗やどちらのものともつかない体液は、さながら刀身の樋が潤うよう。
「あっ――はッ、ぁ……、」
それが、ずぶずぶと自身の中に潜っていく感覚に、声が漏れる。
「ふっ――う……、ハッ、」
半身を埋め、番がそれに感じ入る声と身体の反応に口端が上がる。
上体を倒し、番の頭部に自身の頭部を摺り寄せる。すると甘い吐息をこぼしながらも摺り寄り返ってくる番の頭部に、胸が苦しくなった。
「――口、開いても良いか」
「その口は貴方の物でしょう」
切羽詰まったような彼の声に、何故私に許可を求めるんですか、と番が目を細めた。うつくしい花が纏う、鋭い棘を思わせる指先が、彼の口吻をなぞる。
その指先を捉えて、自身の顔の横に触れさせながら、彼はゆっくりと普段は閉ざし続けている口を開く。噛み合う牙同士が離れていくそれは、正しく獣の口吻だった。
丁度その時、隣や上の部屋かドタンバタンガタン、なんて音が聞こえ――そこに微かに紛れる、誰かの嬌声。どうやら自分たちのほかにも逢瀬を楽しんでいるカップルが複数いるらしい。
「……どこもかしこも獣(けだもの)ばかりだ」
思わず彼が呟く。
彼の言葉を正面から聞いた番は、夜の寝台に似合わない、実に幼気な笑顔を浮かべた。
「貴方がそれを言うんですか」
それから一転して、夜の寝台に相応しい表情を、彼の番は浮かべるのだ。
「それで――貴方は、獣のように私を喰ってはくれないんですか?」
「――、」
開かれた口吻が、番の喉元に噛みついた。
ギシリと軋む寝台の音。やがて聞こえてくる音は、言うまでもない――。
To live is like to love--all reason is against it, and all healthy instinct for it
(生きることは恋に似ている――すべての理性がそれに反対し、すべての健全な本能がそれに賛成する)
(サミュエル・バトラー/英・小説家)