
生存if英スラウォル(カントボ英ウォル)でわからせっくす にしたかった。
カントボ、キメセク(軽度)、濁点喘ぎ、♡喘ぎ、二穴責め、異物(玩具)挿入、潮吹き等の要素があります。要素の割にえっちくないのはいつものことです。カントボーイに対する独自設定?があります。
生存if英スラウォル(カントボ英ウォル)
わからせっくす のつもりだったけどただのバカップルになりました。わからせなんて無かった。閉廷。
カントボ、キメセク(軽度)、濁点喘ぎ、♡喘ぎ、二穴責め、異物(玩具)挿入、潮吹き等の要素があります。
要素の割にえっちくないのはいつものこと_(:3」∠)_
カントボーイに対する独自設定?があります。
スラウォルに巻き込まれるCCおじは個人の趣味です。
モブ♀が少ししゃべる。
気を付けてね。
---
「お相手のことでお困りのようですから、これを」
地球から取り寄せたもののお裾分けですが、と、おずおずと差し出された小瓶を、コールドコールは苦笑を隠さずに受け取った。物を差し出してきた女性スタッフは「それではっ」と逃げるように去っていった。頬だか耳だかがほんのり色付いていたのは何故だろう。
仕事終わりである。
デッドスレッドを整備士に預け、ガレージを出ようとしたところで、ひとりの女性スタッフに声をかけられ――冒頭だ。
何か勘違いをされている……。
手中の小瓶を見下ろして、コールドコールはラベルの文字を鼻で笑う。
わからせ薬。わからせる薬。物分かりの悪いパートナーへ。
コールドコールにそんな相手はおろか、パートナーと言える人間もいない。勘違いされる心当たりがあるとすれば、あの借金馬鹿。何やかんやとあって手綱を握らされている、戦場以外ではあまり関わりたくない類いの独立傭兵。
つまりまたあの借金馬鹿のおかげで妙なことになったのだ。妙な勘違いをされ妙な薬を渡された。
「……」
腹の底から大きな溜め息を吐いて、コールドコールは手のひらをぎゅっと握った。
「それで私のところへ来たのか? 自分で捨てれば良いだろう。もしくは、寄越してきた女に盛ってやるとか」
「人の心が無いのか? ……まあ、それはどうでもいい。お前なら使う機会もあるだろうと思ってな。下手にそこらへ捨ててルビコニアンに難癖をつけられても困る」
「体のいい処理業者扱いをされるとはな」
「体よく「金を返さない馬鹿」の仕事を押し付けてきたくせによく言う」
「だが受けたのはそちらだ」
「……あれ程とは正直思っていなかった」
「それについては同感だ。……まあ、いい。貰うだけ貰っておこう。妙なものであれば輸入者に話を聞くことになるだろうしな」
「そうか。……ハンドラー・ウォルターによろしく頼む」
斯くして件の小瓶は独立傭兵スッラの手へ渡り、逢瀬の席でウォルターのグラスへ混ぜ込まれたのだ。危険、違法なものではないと調べのついたラブ・ポーション入りの水割りを、そうとは知らずに喉へ流し込む姿を、スッラはニコニコと眺めていた。
それは「わからせる薬」――飲んだ者の言葉を、「解っていない」言い方に変換させ、そのパートナーに「解らせる」大義名分を与えるものだ。
わからせ、と言うプレイらしい。
薬について調べたときに、付随して知った言葉にスッラは「はあ……」となった。色々考え付くものだ。しかし一拍の後には、かわいいかわいいパートナーの顔が思い浮かんでいた。
半世紀と少しを経て伴侶と言うポジションに落ち着いた――落ち着いてくれた、それはもう目に入れても痛くないくらい可愛らしいパートナーは、少し口の悪いところがある。
それはまあ、相手も男の子である以上仕方ないところはあると思う。のだが、時折それを「スッラを遠ざける」ために使うのが頂けない。
こんな男に構うとは物好きな。お前なら他にいい人が見付かるだろうに。飽きたらすぐに言え、代わりを手配する。エトセトラ、エトセトラ。
何度スッラが「お前だけ」「離さない」と言っても信じない。最後には独りになることを、決めているのだ。
スッラとてウォルターが「そう言う生き物」なのだと流石に学習しているし、その上で好き好んで構っている。
が、こうも頑なだと時々、それこそ「わからせて」やりたくもなる。
……べつに薬などいらなかったのでは?
今さらなことを考えながらスッラもグラスを傾ける。カラリと鳴った氷が、灯りを照り返してきらきら輝いていた。
スッラに対して基本的に淡白な反応だったり対応をしはするが、スッラの望むことを断ることを、基本的にウォルターはしない。
だから寝室へ行く前にスッラが「後ろも」と言えば、その楽しそうな顔を睨みながらもウォルターはバスルームで丁寧に準備をしてくれる。
「……好き者め」
今日は後ろも使うのだろう、と確信めいた、非難がましい眼がベッドの上で向けられる。
微かにとがるくちびるを、あやすように啄んでやりながら、スッラは「ふふふ」と笑った。
「好くしてやるから、良いだろう?」
「……へんたい。ものずき。すけべ」
「どうとでも。お前相手だからだ」
「……精々楽しめばいい。どうせそのための身体だ」
ふいと顔を逸らして潔く開かれたウォルターの足の間は、なだらかな曲線を描いている。
「まったくひどいことを言う。自分を大切にしろ。な?」
くちびるに噛みつき押し倒し、微かに潤んで見える双眸を見下ろしながらスッラは困ったように笑う。そっと眼下の胸に手を置けば、とくりとくりとウォルターの生きている音が手のひらに響いた。
「ぅ、っ、」
置いた手のひらを浮かせ、滑らせる。胸、腹、脇腹。するりと辿れば、ウォルターは小さく息を詰めて唇を噛む。
「ぁ……っふ、」
それはいけない、と唇を重ね、開かせれば、湿った吐息がこぼれた。噛んだ痕を癒すように、くちゅくちゅと擦り合わされる粘膜に、ウォルターの眉が悩ましげに寄せられる。閉じられ、ふるえる睫毛の先には小さな水滴が乗っていた。
ウォルターの身体は、ひととは少し違う。
ウォルターは歴とした「男」であるけれど、その身体には「女」の部分があった。下半身のことだ。
不便だと思ったことは確かにある。しかし生まれ持ってしまったものは仕方ない。幸いと言うべきか、科学の発達した現代であればホルモンバランスの崩れなんかは薬でカバーすることができた。それに、この世界で仕事をする中で、人前で肌を見せるなんてことは滅多にない。近付こうとする者には「ハンドラー・ウォルター」が悪名高い所以をしっかりと教え込んだ。
ウォルターはそうやって自身と秘密を守って生きてきた。
だがそんな秘密を知るイレギュラーは、ウォルターがひとであり誰かと関わって生きていく以上、僅かと言えど生まれてしまう。
スッラはその一人だった。
ウォルターとしては、不本意の部類に入る。しかし知られた上にここまで互いに生き延びてしまい、更には伴侶なんて関係に落ち着いてしまえば、もう手の施しようはない。意外なことに口外されていなかったことも、妥協の一助となった。
「ん……、ンっ、ぅ、ッ……ふ、」
くちゅりと秘裂に指を挿し入れられて、小さくウォルターの脚が跳ねる。ゆっくりと動かされる手指は、気遣いにも意地悪にも思われた。
「ぅ、くっ……そ、んな……いい、から、さっさといれれば、いい……っ」
ウォルターが赤い顔でむっすりと言う。
愛撫は少々だと言うのに湿潤な蜜壷はキスと、間違いなく薬のおかげだろう。肉色のあわいがひくついて、くちくちと指の食まれる音が立つ。
「くふふ」とスッラは笑った。
「焦るな。まだ十分解れていない」
「んっ、ぅ、ぅ……! べ、つに……っ、もんだい、ないっ……!」
「つらいのはお前だろう? それとも、私のが小さいと?」
「そっ……んな、ばか、な、ことをっ」
スッラに煽られてぽこぽこ怒る様子は幼くも見える。
「いいっ。平気だ。お……まえの、くらい、どうということは、ない……っ」
いつもよりも少しばかり強気だろうか。
例の薬の効果を実感しようと、スッラはウォルターの言葉にいつもよりも注意を払う。
「ン゙ッ゙♡ ぐぅッ♡ ぅ゙っ゙♡ あ゙ッ゙あ゙ッ゙あ゙ぁ゙ァ゙ッ゙♡♡♡」
果たして薬は己の仕事をまっとうしていた。
ラブ・ポーションなだけあって、感度やらも高めてくれるらしい。はらの内側を擦られるウォルターはいつもより素直に鳴いていた。
と言うよりも、声が押さえられないのだろう。熱や快感を逃がそうと口を開くと声がこぼれてしまうのだ。歯を食い縛ろうにも長くは保たず、赤くなった顔に涙やら汗やらの軌跡を描く。
スッラは薄く微笑みながらぬぢぬぢとウォルターの内側を擦る。とろとろ溢れる蜜は、指に纏わり付いてぬらりと照る。
「ゃ゙ッ――ゔ、ぅゔゔッ♡ くひゅッ♡ ひぅ♡ は、ァ、ああァッ♡」
くちくち♡ ぬちゅぬちゅ♡
自分の股座から鳴る音を聞きながら、自分のものではない指が身の内をまさぐるのを感じて、ウォルターは身体をヒクつかせる。
跳ねる肩、腰、足。シーツを握り込む手、指。呼吸に忙しく閉じられない口。
「相変わらず美味そうにしゃぶるなァ? お前のここは」
スッラの指を頬張り引き留めようとする、胎。
――おかしい。
上機嫌に囁くスッラを滲む視界で睨みつつ、茹だる頭をウォルター必死で回す。
おかしい。なんだ今日は。久しぶりだから、か? 前よりも、声が押さえられない。声が、こんな、甘ったるかったか? 相手の声や動きが、いやに鮮明だ。なんだ、これは。
まさか。
いやだが、スッラが?
そうだとして、どこから。
なぜ。どうして、今になって。
熱に溶け、薬で歪んだ思考は回り、連鎖して――ウォルターは鼻の奥がツンとしたのを感じた。
「っぐ、ぅ♡ んぐっ、ン゙――♡」
幸いなことにその小さな痛みは隠し通せそうだった。
ならばウォルターは隠すだけだ。
「ふ、ぅ……♡ っ、ぃにっ……、じしんッ、が、なくなった、ァ♡ っか?」
隠そうとして、その口は挑発とも寂寥ともつかない言葉を吐くのだけれど――おそらくウォルターはそれに気付いていない。ただ、相手を煽っているつもり、だ。
「うん?」
「っは、ッ♡ んッ♡ すっら、とも、あろう……ッ♡ おとこ、が、ぁ♡ くすりっ、に、たよる……っ、とは、な……ッ」
「ほう?」
「ッあ、ァアアアアアッ♡」
ばちゅばちゅばちゅッ♡ とスッラの手のひらがウォルターの肌を打つ。指の抜き挿しでまた気を遣ったウォルターは、ふるえる胎をなおぬっちゅりと触れられる感覚に「っひぃ、」と甘い悲鳴をこぼす。
「なぜ薬だと、そう思った?」
ぐちゅ、ぐちゅ、と温かなぬかるみに指を埋めたまま、スッラは愉しそうに訊いた。飛び散った愛液を気にする素振りは微塵もない。
「ぁ、ぁ……ッ♡ っ、らって、こんな……っ、おれ、おかしいっ……!」
いつもこんな感じだろう? と言うことは容易い。事実、これに近しくなることも、間々ある。が――もう少し夜の深まってからであることも確かだ。
スッラは「うふふ」と笑った。なるほどウォルターは理性的な男である。
「ふふ。そうだな。確かに、盛った」
「っ!」
スッラの言葉にウォルターは息を詰まらせた。だが、きゅ、と噛まれる唇の意味を、寄せられた眉の意味を理解できない程、スッラはウォルターに無関心な男ではない。
ぬち……♡ と糸を引かせながら蜜坪から指を抜いて、スッラは強ばったくちびるに柔らかく口付ける。伺いを立てるように、ちむ、ちむ、と触れるだけの優しいもの。
「無断でしたことは謝ろう」
たぶん、スッラが「謝る」のはウォルターに対してだけだ。それを、当のウォルターは知らないのだろうけれど。
「だがなウォルター。お前を想ってのことだ。日頃気を張りすぎるお前に、好くなってもらいたいと思うのは悪いことか?」
その言葉は、嘘ではない。
「内容は調べてある。毒でも違法なものでもない。地球企業の正規品。ただのラブポーションだ」
けれど真実全てでもない。
しかし――今のウォルターに、そこまで頭を回す余裕も、また無かった。
「ぅ、ぅぅ゙……!」
悔しそうに唸るウォルターの目を潤ませるものは熱でない。
「こ、っこれから、おまえっだけ、で、……っ、まんぞくっでき、なく、っ、なって、も、……し、しらんっ」
これからもあること。相手を変えないこと。
無自覚にだろうが、そんなことを言われてスッラは上機嫌に笑う。がんばって怖い顔をするウォルターのくちびるを食み、侵して、脚の間に指を滑らせる。
ちゅる、ちゅぷ、と舌同士の擦れ合う水音に、くちゅりと下肢の泥濘が混じる。
「ぅあっ、ふ、っ、ぅ、ぅ……♡」
ちゅく♡ ちゅく♡ と秘豆を撫でられてウォルターの爪先がシーツを掻く。腕は腿に挟まれども、止められるには至らない。
「ふあっ♡ ぁ、あっ……、ふぅっ、ひぐっ」
ほどけ、離れ、糸引く舌先を気にすることもできずウォルターは大きく胸を上下させる。
スッラが口を離した意図など、当然思い至るはずもない。にっこりと笑う顔すら、ウォルターは見えていなかった。
きゅむ、とスッラの指先が、ウォルターの無防備な場所を挟む。
「ぅ、あっ♡ っひ、ぇ、あ……?」
そこは度々スッラに可愛がられ、育てられ、慎ましくも厭らしくなってしまったところ。
散々胎の中を擦られ、くぷくぷ蜜を垂れ流しているのを、羨ましいとばかりにもたげた首は、スッラの計画通りでもある。それに触れた指先に、ウォルターの目に怯えが走る。
――待て、と。
ウォルターはそう言った。つもりだった。
「ま゙ッ゙ッ゙ッ゙♡ ひッ――ィ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!゙?゙」
ちゅくちゅくちゅくちゅく♡ と秘豆を撫でられてウォルターは腰を躍らせる。溢れた愛液をまとう指の滑りはこの上なく良い。十分高められ、甘イキすらしていたウォルターが泣き叫ぶのも、仕方のないことと言えよう。
「ゃ゙ッ゙! ィ゙ッあ゙あ゙っ♡ ぁ゙ぐッ!
ぐ、ゔ……っア゙!」
押さえようとしてもスッラの指に容易く抉じ開けられる。ちゅりちゅりと器用に秘豆を指の間に挟んで揉まれる様は、小さなペニスを扱かれているようにも見えた。
くふくふ、と笑って、スッラが意地の悪いことを言う。
「立派なクリペニス嬉しいな? もっと育ててやろうか」
「はッ!? ひッ、ぐ、ぅ゙……♡ なん゙ッ゙、なに、を゙――ぁ゙ア゙ア゙ア゙ッ゙♡」
「吸い出して押し出して固定して、立派なペニスを作ってやろうか?」
「ひぃっ!? ひっ――ばッ、そん゙ッ゙、ひぃ、ぐぉ゙っ゙♡ ォ゙、ひッ♡ やめ゙ぁ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ゙♡♡♡」
頸を反らして腰を脚を跳ねさせてウォルターは断末魔を上げた。蜜壷が、くぷっ♡ と涎を垂らした。
なのに、スッラは手を退かさない。
ひくん♡ ひくん♡ と跳ねる肢体にいとしげな眼を向けつつ、ぬち♡ ぬち♡ とてらてら愛液を塗りたくられた秘豆をなおも撫でる。
「ぉ゙……♡ ァ゙、っぐ……♡ ひッ♡ ひぅ……っ♡」
余韻がさざ波のように身体を揺らす。芯を持った快楽のつぼみは、嬉しそうにスッラの指に擦り寄っていた。
「ふふ」
「ぁ――ふ、ぅ……♡ ん♡ ぁ、ゃ……っ、ん! ちゅ♡ ちゅる♡」
赤く色付き薄く汗を滲ませて、胸を上下させているのを見ながらもスッラはウォルターのくちびるをふさいだ。
喘ごうと開かれた口は、逃げようとしてぱくりと食べられてしまった。
竦められる首と寄せられる眉はささやかな非難の表れだけど――スッラは気にしてやめてくれるほど冷めた男ではない。呆気なく捕まった舌を、もみくちゃにされて口端から唾液があふれる。
舌先、歯列、顎の裏。どこに触れられてもぴりぴりふわふわとした。
そして、また、ちゅぷり♡ と孔へ指が滑り込む。
ぬち♡ ぬちゅ♡ と内側を撫でて、おんなのこの悦ぶところを少しつよく撫でて、スッラは嬉しそうに笑う。
「もう奥に触れられるな。良い子だ」
「ぅ♡ ぅ゙……! くすり、の、おかげ、だろう……!」
悔しそうな眼は、その「奥」を指先でやさしくくすぐられると悩ましげにゆるんで閉じられた。ぅぁあ、と濡れたくちびるがわななく。
それから、スッラの指はそのまま「奥」をいじめなかった。
物欲しそうに咲(ひら)こうとすらする「奥」ではなくて、背の方を、くっと圧した。
ひくんっ♡ とウォルターの身体が跳ねたのは当然のことに思われて――けれどわざわざそうしたと言うことは、違うのだろう。
「んっ♡ ぁ、あぅ♡ ぅ、や、ゃめ……っ♡」
薄く開かれた目蓋の奥も愛らしい。何も知らない、きれいな目だ。
スッラは子どもをあやすように、優しい顔で笑った。
「わかるか? この辺り……微かにだが、しこりのようなものがある」
「っ、っ……! わ、かるわけ……!」
「ふふ。そうだな。……お前はこれを刺激されるのも好さそうな反応をしてくれる」
「しっ、知らない、そんな、っ♡ いちいち、気にしてられなぃ……!」
それはスッラの触れ方や場所の何もかもが好い、と言っているようなものだったけれど、もちろんウォルターがそれに気付くことはなかった。
笑顔に獣の気配を微かに滲ませて、スッラは話を続ける。
「私としても、これが何なのか気にはなってな? 少し調べさせてもらったのだが――まあ、これだと言うものは見付けられなかった」
「ん……ぅ……っ、」
「だが、可能性の話には辿り着いた。……ふふ。おそらく前立腺の名残なのではないか、とな」
「っそ、そんな……こ、と……♡」
あり得ない、とは言い切れないことは、身体の持ち主であるウォルターが一番知っていることだ。
人体の神秘。進化の謎。突然変異。あらゆる可能性はどこにでも存在している。何故身体と生殖器が一致しないのか。何故生殖器が複数あるのか。世界には、それこそウォルターよりも「珍しい身体を持つ」人々がいる。
だからウォルターがどこかで手放してしまったものが、欠片として残っていたとて何もおかしくはない。
――ああそうか。だからスッラはあんな風に言ったのかもしれない。
「ぜんりつ、せ……、だ、だが、おれ、」
「ああそうだな。だが達せることに代わりはないだろう? 出すものにしても――何でも出せば良い。今さらだ」
ひどいことを言っている!
ウォルターは耳や首の辺りがカッと熱を帯びるのを感じた。
そ、それはまあ、散々セックスしているし、プレイと言うものだって時々趣向を変えたものをしているけれど、けれどだからって改めてそんなことを! 羞恥を煽り矜持を削るようなことを!
ゔぅ゙、とウォルターは唸った。威嚇だ。
「すけべ! ばか! 介護がしたいならほかへ行け!」
「ン゙っふ! ふ、ふははっ!」
「ばか! ばか!!」
まだカクカクふるえの残る脚を意地で持ち上げて、スッラを蹴ろうとする。はらにその男の指が入ったままで、ぬちっ♡ とはらの中を擦られてしまったけれど、ウォルターはぐっと堪えた。
そうして、あしをスッラへ向け――!
「はは、は、くく、ふふふ、あー……ふふ。大丈夫だ。今までだって触れていた場所だ。何も変わりはしない。お前の意識以外」
「ひッ――」
あっさり掴んだ脚をベッドへ下ろす動きは優しくて、声も表情も優しげで、それがウォルターには恐ろしかった。
「ゃ、嫌だ、もう、……っ、す、スッラ!」
腰の下に枕を入れられ後孔を晒される。本来ならこういう体勢が普通なのだろう。
ひた、と孔のふちにつるりとしたものが触れる。スッラが、やはりニコニコしながら取り出したものだ。不思議なかたちをしている。
「気持ち好くなれるらしいが、実際のところどうなんだろうな。ダメだったらダメだったで私の仕事が増えて喜ばしいが」
丁寧に準備をしたのが仇になっていた。軽く触れられただけでスッラに気を許し、やわらかくなった後孔は雛がエサをねだるように人工物にちゅっちゅと口付ける。
それはエネマグラ、と言う物らしい。元は医療器具だとか。ウォルターも、名前は聞いたことがあった。
「ぇ、あ、ぁ……っ♡ まっ、ひ、ひぅっ――♡」
つぷ……♡ とついに物が入り込む。かたくて、つめたい。スッラはウォルターの頬や目元にくちびるを落としてやって、くぅくぅ鼻を鳴らす子犬をあやす。
そんなことをしながら、する、り、とスッラはウォルターの腹を撫でた。腰下の枕を抜かれ、横たえられた身体のそこは落ち着きなく上下していた。それを、宥めるように優しく手のひらで辿る。もちろん、なだめてあやす、だけの意図ではないけれど。
「っ! ぅ? え、ぁ……っ♡ な……? っひ♡」
スッラ(旦那さま)に優しく触れられて、素直なはらはキュン♡ と悦んだ。きゅ♡ きゅう♡ と身をすくませる。主であるウォルターにとっては、特に今は、あまりして欲しくない動きだろう。自分のからだであるのに。
「っあ! え、あ、や、ァ゙――ッ!?」
下肢の筋肉が動いて、エネマグラを締め付ける。エネマグラは、おのれの役目を違わず果たして、名残と言えども前立腺を、しっかりと捉えた。
ウォルターは視界にチカチカと光が瞬くのを見た。
「ぅあ゙ッ! あ、あああッ♡ ま゙ッ゙……、こぇ゙、とっ――!!」
身体がくねて跳ねる。逃げようとする。
のを、スッラは許さなかった。
するりと自然な動きで、ゆるりと優しげな動きで、ウォルターの脚の間に入り込み、その身体を仰向けに見下ろしてしまう。ひ、ひ、と浅くなる呼吸に赤く潤んだ瞳には恐怖と期待が見てとれた。
「好きなだけイっていいぞ」
ズリ、とスッラがはらの上に熱を乗せる。硬くて熱い。けれど――。
ウォルターは「ひぐ、」と息をひとつ飲み込んで、グッと眼に力を入れた。
「あっ♡ ぁッ♡ ゔ……っぐ……ぅ♡ ご、ごむ越しのモノになんか、おれが、負けるわけない、だろう……!」
スッラがいつゴムを着けたのか分からないのも唇を噛む理由のひとつだ。くそ、いつの間に。そんなに気が逸れていたか。
「ふふ。たのしみだな」
ほとんどの場合、もとい、いつも、ゴムを着けている上でも「負けて」いるじゃあないか、とは言わないのが優しさだ。スッラはウォルターにとても優しい。
「――」
ニッコリ笑って、雄(おとこ)は番のはらに楔を打ち込んだ。
「ァ゙――ッが♡ ぁ゙♡ かはっ♡ ッ゙ォ゙ア゙ア゙ァ゙アアア♡♡♡」
「……っ、ふ、ふふ。これは……くく、好さそうで何よりだ」
「ひッ、ひぃっ、っく、ァ゙……♡ ぁゔ♡ っぐぅぅぅ♡」
ぐちゃあ♡ と音の立つほど、ひどいぬかるみだ。きゅうきゅう震えている。いつもより浅く感じるのは、やはり「奥」が下りてきているからだろう。
「っあ゙♡ ァ゙ー……ッ!」
呼吸を整えようとして一向に叶わない様はあわれでいとしい。
スッラは優しいから、ひぃひぃ言うウォルターの様子をにこにこと見守っている。
「大丈夫か? 今日はここまでにするか?」
「ひゅっ――、ひ、ぐぅぅ……! ま゙、まけてっ、ないっ……! なんとも、っな゙い゙……!」
「続けるか?」
「っ、っ……! ぅ、つ、つづけ、ろ……!」
「お前の望むままに」
「ひっ――」
口付けですらひどいものとなっていた。
唾液があふれて、舌は芯を失くして相手に揉みくちゃにされるがまま、顎も歯茎も歯そのものですらなぞられればゾクゾクと背筋に快感を走らせた。
「ぁぷ♡ ぅ゛♡ ぁ゙、ん゛ん゛ん゛……ッ♡ ふ、ふーっ♡ ぁ♡ ちゅ゛♡ ちゅる♡ ン゛ッ♡ ン゛ーッ!!」
ちゅく♡ ちゅるる♡ ちゅむ♡
くちゅ♡ ぐちゃっ♡ ぐぢゅっ♡ ぐぢゅっ♡ ぐぢゅっ♡
ぐりゅっ♡
「っは♡ は、ぁ、あ゙あ゙ぁ゙♡ ぁッぐ、ぅ、ア゙♡ かはっ、ひっ、ひ、ォ゙――♡」
声を押さえたり、からだの制御を得る、なんて不可能だった。
ゴムの有無だって、きっと関係なかった。
身体に触れる何もかもにウォルターは咽んだ。
スッラが動く度にチカチカと星が舞う。目の前、頭の中、目蓋の裏。
スッラが呼吸する度にぶわぶわと背骨が泡立つ。熱く掠れた欲望に湿らされる肌が、溶け落ちる。
スッラが触れているところから身体はウォルターの意思を離れていく。勝手に悦んで、勝手に受け入れて、勝手にねだる。
「ひぐっ♡ ひっ♡ ぁ゙うッ♡ ぐ、ぐ、う、ゔ♡ ォ゙ッ♡ はっ♡ ォ゙オ゙オ゙ッ♡ ッ♡」
どちゅ♡ ぐちゅ♡ ずちゅ♡
はらの「奥」を突かれてずり上がる身体をスッラはゆるさない。そうしているのはスッラなのに。
脚を、腰を掴んで引き寄せて、終いには身体全体でウォルターを押さえ付けてしまった。
ははは、はァ、くくく、と獣欲を隠しもしない笑い声をウォルターの耳元でこぼす。目の前に来た肌をべろりと舐めて歯を立てるのは、正しく獣のしぐさだ。ぽろぽろこぼれていく涙や汗も、ていねいにすくってしまう。
ずちゃっ♡ ぐぢゅ゙っ♡
ここを開けろと「奥」を――文字通り――叩かれてウォルターはその感覚に顔をべちゃべちゃにする。
「ゔあ゙っ♡ あ゙っ♡ んぐっ♡ ゔ♡ ゔゔゔ♡ あ゙、あ゙あ゙ーっ♡♡」
ぎくんぎくんと腰が跳ねる。
なのにスッラはやめてくれない。
反らされて晒された喉元を舐るし噛むし、背中が弧を描いたところに差し込んだ手で真ん中を撫でる。
何もかも、きもちいいことだ。
けれどそのきもちよさは、度の過ぎたものだった。
「ま゙ッ、ひ、――っぐ、ぅ゛♡ すっぁ、まへっ……ッ!」
「うん?」
「っゔぐ、っ、ァ゙、は、はッ♡ ぁ♡ ぅ゙ぅ゙ぅ゙♡」
スッラが動きを停めてもウォルターは身体を強張らせて捩って、きゅうきゅうと蠢かせて締め付けて落ち着かない。言うまでもなく、身体の制御ができないように見えた。
無自覚にだろう、スッラにすがりつく四肢は愛しいと言う他ない。
「ふふ。きもちいいな? ずっとひくひくびくびくして私を離さない」
「っぅ゙、うるさ、い゙♡ ぇ゙、えねまぐら、と、っ、くすり、っの、せい、だ……っ、こんな゙、ァ゙♡」
ぐずぐずしゃくりあげながらもそんなことを言えるのはさすがと言うべきなのだろう。ゆらゆら揺れる瞳は溶けて流れ出てしまいそうだ。
ぐちゅぐちゅ「奥」に切っ先を押し付けながら、スッラは「うんうん」とウォルターの声を聞く。濁る音も跳ねる音も、みんな可愛らしい。
「ぅああっ! ァ゙、ひッ♡ ゃ――、ま、また、ァ゙、」
びくん、とウォルターの身体が跳ねる。胎がきゅんきゅんふるえて心地いい。はぁ、とこぼされた快の吐息に、またぴくんと身体は悦んだ。
「ぅ゛、ぅ゛ー……! くそ、っこんな、ァ゙♡ くすりっ、と、どうぐ、っにたよ――ッンぁああ! ひっ♡ ゃ、も、はやくっ、はやくいけっ♡ ぬけ、ぇ゙♡」
待てと言ったり早くしろと言ったり、結局どうして欲しいのか分からないウォルターの主張は、つまり本人もどうすればいいのか分かっていないからだろう。
過ぎた快楽から抜け出したいのは事実だが、散々煽られた熱を鎮めて欲しいのも事実で――何ならスッラに対する情もそこにはある。
スッラは「あ、あ、」と天井を仰ぐウォルターの、ふるえる腰を掴んだ。
「ふふ。そうだな。では、一度抜かせてもらうか」
お前のここで、と半身で「奥」を小突くのを合図にした。
「うあっ! あ、ァ゙♡ ひっ♡ ぐっ♡ ぅ゙♡ ぅ゙♡ ふっ♡ ぅ゙♡ ぁ゙、は、ッは、ァ゙――ッ♡♡」
ごちゅっ♡ ごちゅっ♡ ごちゅっ♡ ぐちゅっ♡
実際狙っているのだろう。スッラは正確に、執拗にウォルターの「奥」を抉った。今度こそ止まる気配のない責めに、ウォルターは目の前の身体にすがりつくしかできなくなる。
「ひぃ、っ♡ ひッ♡ ふっぅ゙♡ ひぐっ♡ ぁ゙ぎっ♡ んぐゅ゙♡ ぁ゙、あ゙ーッ♡」
散々覚え込まされ、教え込まれた快楽に、今まで意識していなかったところから生まれる、強い快感が覆い被さってくる。
スッラの熱は、胎の内の、好いところを擦りながら、そして後孔に押し込まれた器具を圧した。その器具がとらえた、淡い名残を挟んで。
「ォ゙♡ ォ゙、ふぎゅッ♡ んぎっ♡ ィ゙♡ ァ゙ァ゙♡」
ウォルターはもうずっと気持ち好くて苦しくて、呼吸するのが精一杯になっていた。途中でされる口付けも、すぐに苦しくなってしまって逃げていた。呼吸に必死なことをわかっているらしく、幸いにもくちびるがしつこく追ってくることはなかった。精々、ひぃひぃはふはふ喘ぐ口の端やずっと濡れたままの目元に押し付けられるくらいだ。
はァ、と短く、詰められた吐息がこぼれる。
スッラは背中がジリジリ熱くなっているのを感じながら、うっとりと唇を舐めた。
上等な「狩り」をしている時と同じくらい、たのしくてきもちよくて、たかぶっている。
ずっと絶頂を繰り返しているらしいウォルターの胎はずっとぶるぶるふるえてきゅうきゅう縮こまっている。きもちいい。腰を動かす度、身体を揺する度、からだの中心が――際限なく――ドロリと熱く重たくなる。ああ。きもちいい。ゴムを取ってやったなら、この熱はどうなることだろう。
「――ッく、ふふっ」
餓えた目をした獣の囁きにスッラはわらう。
「ぁ、あ゙、す、すっら、ま゙、ァ゙、だめ、らぇ゙ら、」
「ん?」
「とまっ、やぇ゙、ひっ♡ やッ♡ でっ、でぅ、かひゅっ♡ ひッ♡ ゃああッ♡」
じたじたとスッラの下から逃げようとし始める身体をゆるさない。ぶつり、とまた背中で赤い花が咲くのを感じながら、スッラは「いやだ、はなせ」を繰り返すウォルターを押さえ込む。
「いいぞ。すべて出せ」
「ひっ――♡」
こりゅっ♡ と背伸びした秘豆に肌が擦れた。のを、見過ごすスッラではない。もそりと腕を動かして、身体の影で手を這わせる。それにウォルターは気付かない。目の前の男と、天井ばかりを見ている。
くにゅ♡
「ィ゙……ッ!?」
くだけた氷の欠片が、ぬくい水となって流れ出す。
「ひぎゃ、あ――ッ♡♡♡」
くりゅっ♡
一撫で。たったそれだけ。
それだけで今度こそ堰は切れた。
上擦り裏返っていた声が、今日一番跳ね上がる。
「ぁ゙、ぁ゙ぁ゙あ゙♡ ゃ゙♡ ゃ゙ら、ひぐっ、うあ、あ゙あ゙あ゙、」
ぷしゃっ♡ ぷしゅしゅ♡
「ふッ――……!」
潮を吹いた秘所の痙攣と収縮にスッラも今度こそ薄いゴムの中に熱を解き放つ。どろどろになった手は、それでもウォルターを傷付けまいとシーツをひっ掴んだ。
ぶるり、と腰が震える。
「は……、」
息を整えながら目の前に差し出された肌にやわく歯を立て舐る。あわれな獲物の浅い[[rb:呼吸>いき]]が、耳をくすぐった。
「ぅ……ぁ……、」
ややあってウォルターの呼吸が静かに穏やかになる。
ぱたりとシーツに落ちた手の指先は、どちらも赤くなっていた。
スッラはのそりと身体を起こして「ふふふ」とそれを眺める。シャワーはきっと沁みるだろう。
ゆっくりと結合を解いてゴムを替える。
ウォルターの腰を引き寄せる時に唇を舐めたのは無意識だった。
にゅぐ……♡ と熱を再度はらに押し込む。空虚を埋められて、ぬかるんだ孔は素直に悦んだ。
「くく……ふふ、」
スッラはしっかりウォルターの腰を引き寄せてその身体に覆い被さる。投げ出された手を頭の横へ持ってきて、指を絡めて握る。ちゅ、ちゅ、と触れるだけの口付けを繰り返してウォルターの目覚めを待つ。きっとお伽噺も、こういうことなのだろう。お伽噺なんて、数える程度しか知らないけれど。
「ん……、」
そうしてウォルターの目蓋がふるえたのだ。
穏やかな眼が覗いたのは、ごく短い間だった。
「っは!? ぁ? っ! ひ、ひっ♡ な、なんっ……ぁああっ♡」
「モーニン、ウォルター。まだ足りないだろう?」
「ひぐっ♡ す、すっら、ぁ♡ なんぇ……、ま、ぁ、ぁ゙ぁ゙ぁ゙ッ♡ たり、っ、たぃてう、も、もぅ、いい……っ♡」
「もういい?」
「もぅ、もうっ、いいっ、じゅうぶんったくさん、だ……!」
ウォルターの声はどろどろに溶けていた。険とか刺とか厳めしさとか、そんなものは全部削げ落ちている。
「そうか」と頷きながらもスッラはウォルターの言葉などまともに聞いていなかった。どうせかたちだけだ。そんなことよりもほら、溶けた舌が美味そうだ。
「す、ん、んぷ♡ ちゅ♡ んぁ、は、っ♡ ン、ま、す、ぅ……!」
実際ちゅぷちゅぷと粘膜を擦り合わされてウォルターは喘ぐ。逃げ場などどこにも無かった。
「は――、ウォルター。ふふ。ウォルタァ、いい加減わかってくれ? 私が、お前を愛していることを。誰がお前のパートナーなのかを」
「ぁ、あ、う……、うぅ……っ、わ、わかっ、わかって、る……、」
「ほんとうに?」
「ほんとう、だ、ぁ、ッ……♡」
スッラはその言葉にやっぱりニッコリと笑った。
「そうか。ならばせっかくだ、このまま愛を確かめ合うとするか」
「ひ、ィ――ッ」
白々しい、とはスッラが一番分かっていることだ。
けれどその言葉に嘘偽りの無いこともまたスッラが一番よく分かっていることだった。ウォルターがそれを分かっているかは、分からないけれど。
「およそ1.5倍」
「……一応聞くが、何がだ?」
「先日お前が寄越してきた薬の効力だ」
「……なるほど?」
「およそ1.5倍感度が増幅されるようだ」
「なるほど?」
「売りにしている「わからせ」の部分については、よく分からなかったが」
「……」
「改めて検証するのもいいかもしれんな」
「……答えなくていいんだが、この話は今回の仕事でお前に対するハンドラー・ウォルターのオペレートが極端に少ないと言うか雑なことに関係しているか?」
「ふふふ」
「……」